「チャレンジSSH」事業の体験型実習講座が実施されました!

6月22日に、今年度は初めての体験型実習講座が、本校化学室にて実施されました。

今回は山形大学理工学研究科の東原知哉先生から、「ソーラー発電~発電するプラスチック~」というテーマで実施していただきました。対象生徒は2年次理系生徒33名です。

初めに、東原先生の自己紹介、山形大学の紹介を頂きました。そして、有機ELディスプレイ、有機太陽電池など、有機エレクトロニクス技術の例について教えていただきました。そして、高分子化学についての概論を学び、一般的には電気を通さない高分子ですが、ポリアセチレンのように導電性をもつ高分子もあること、この導電性高分子が軽量で成形が容易なことからコンデンサや電池に応用されることを教えていただきました。

次に、発砲スチロールをトルエン溶媒で溶解させる実験です。あっというまに発砲スチロールが溶け、びっくり!

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今回の溶媒はトルエンでしたが、柑橘類の皮に含まれる成分のリモネンでも溶かせるようです。高分子化合物も、似た構造をもつ物質に溶けるのだということを理解しました。

次に、有機薄膜太陽電池のp型材料となるポリチオフェンの薄膜をつくりました。導電性高分子のポリチオフェンのトルエン溶液をスライドガラスにたらし、トルエンが揮発するとポリチオフェンの薄膜になります。生徒たちは溶液を薄く延ばしたり、手のひらで温めたりして早くトルエンを揮発させようとしていました。すると、ポリチオフェン溶液のときはオレンジ色でしたが、紫色に変化しました。薄膜になることで、光の吸収波長が変わり、見える色が紫色になるという原理もききました。

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まとめに、有機薄膜太陽電池についての講義を頂きました。本来はp型材料とn型材料を混ぜて塗布し薄膜を作るが、その膜の作り方でエネルギー変換効率が違い、現在は界面活性剤を用いて膜を作るなど研究され、少しずつ変換効率が上がっていることを教えていただきました。

<主な生徒の感想>

・高分子化合物はよく耳にするけれど、どういったものか知りませんでした。でも、多くは熱や圧力を加えることで変形できて、プラスチックや樹脂に含まれているということがわかりました。実験では、ポリチオフェンが溶液のときと薄膜になったときとで、光の吸収波長が変わって色が変わって見えるということにもとても驚きました。(女子)

・太陽電池というのは知っていたが、有機薄膜太陽電池というのは初めて聞きました。わずか100nmという厚さで発電でき、今までのシリコンを用いた太陽電池とは違って、窓やポスターなどに貼って発電できるという、その技術はとても画期的で魅力的だとおもいました。(男子)

東原先生、本日は本当にありがとうございました。