高等学校 第5回卒業証書授与式を挙行しました

3月1日(月)、高等学校第5回卒業証書授与式を挙行しました。

次第

開式のことば

国歌斉唱(CDによる)

卒業証書授与

特別賞授与

式辞

来賓祝辞

祝電披露

在校生送辞

卒業生答辞

校歌斉唱(CDによる)

閉式のことば

ここに、卒業生答辞をご紹介します。

肌を刺すような冷たい外気も和らぎ、吹く風からも春の訪れを感じる季節となりました。このよき日に、私たちのために卒業式を挙行していただき、誠にありがとうございます。卒業生一同、感謝の気持ちでいっぱいです。

一年前の3月1日、あの日もここで卒業式が行われていました。しかし、私たちはその卒業式に出席して、先輩方の最後の晴れ姿を見ることはできませんでした。こうして卒業式を行えることが、とても幸せなことであると痛感しました。

思い返すと3年前の4月、私たちは新しい制服を身にまとい入学式を迎えました。入学への大きな喜びと、これから始まる新たな生活への緊張感を胸にこの東桜学館の門をくぐったことが、昨日のことのように思い出されます。新しい環境に戸惑いながらも、初めての学習や行事など、何もかも新鮮な気持ちで取り組んだ1年間は、あっという間に過ぎ去っていきました。2年生になると、先輩としての自覚と責任を持ち、学校生活に取り組むようになりました。中でも、2年生での一番の思い出は研修旅行です。国内と国外に分かれての研修を通し、普段は触れることのできない歴史や文化に触れることができました。私は奈良・京都に行きました。伝統のある建造物を見る中で、日本の歴史や伝統を守り、後世に受け継ぐことの意義を深く考えるようになりました。研修中には、集合時間に遅れそうになったり、計画した場所へ行けなかったりと、予想外のことがたくさん起こりました。そんな時でも、同じ班の仲間と協力し乗り越えたことは、大きな成長へとつながりました。多くの人と出会い、仲間と過ごした研修旅行は、忘れることのできない思い出となりました。

私たちにとって、高校生活最後の一年間は、特別なものとなりました。休校期間を経て、これまでとは大きく異なった日常が始まりました。今までとは違った授業の形式や生活様式に慣れることは大変でした。特に最後の総体が中止になったと聞いたときには、どこへもぶつけることのできない辛さや悔しさが湧き起こり、この二年間の部活動は無駄だったのかと思うこともありました。しかし、この経験がなければ、気づかなかったこともたくさんあると思います。これまで当たり前だと思っていたことは、決して当たり前なのではなく、小さな奇跡が積み重なって生じるものであると、改めて気づくことができました。

この3年間は、多くの人の支えがなければ、私たちはここまで成長することはできませんでした。

常に親身になって私たちのことを考えてくださった先生方。1年生のときには、授業に向かう姿勢の悪さから、何度も叱られたのを覚えています。特にこの一年間は先生方にとっても大変な1年だったと思います。そんな先生方の苦労と期待にどれほど応えることができたかはわかりません。ですが、先生方から学んだことを生かし、いつか胸を張って立派な姿をお見せしたいと思います。本当にありがとうございました。

そして、一番感謝を忘れてはいけないのは、もちろん家族です。毎日学校へ行き、楽しい生活が送ることができたのも家族の支えがあったからです。毎朝早くからお弁当を作ってくれたり、送迎や部活動の応援をしてくれたりと、感謝の思いは尽きません。時には反抗し、文句も言いましたが、甘えてばかりの18年間だったと思います。この感謝の気持ちは、これからの私たちの人生を通して恩返しをしていきたいと思います。今後も一番近くで応援していてください。

そして、今日はここにはいませんが、在校生の皆さん、私たちは、やりたくてもやれなかったことがたくさんあります。そんな私たちの分まで、様々なことに積極的に挑戦してください。そして、私たちが立てなかった場所や、見れなかった景色をたくさん経験してください。今後の皆さんの活躍を期待しています。

新型コロナや大学入試の変革などの影響により、私たちの代で様々なことが変化しました。最後の部活動の大会や行事は全てなくなりました。なぜ私たちの代だけこれだけ辛い思いをしなくてはいけないのかと嘆くこともありました。変化する日常に対し、何もできないことへの無力感から、苛立ちを覚えたこともありました。これらの感情や不安な気持ちを押し殺して、日々の学習や学校生活を送ることは、正直とても辛かったです。本音を言えば、何度もこの現実から逃げたいと思いました。ですが、私たちはその全てを受け止め、今日、卒業を迎えました。この一年があったからこそ私たちは、より強く大きく成長することができました。今後も世の中での状況は絶えず変化していくでしょう。しかし、この3年間で培った友情や思い出は、これから先も決して変わることはありません。この東桜学館での学びを生かし、コロナで失ったものを希望に変え、それぞれの道へと進んでいきたいと思います。

最後になりますが、東桜学館のますますの発展と、ここにいるすべての皆様の健康を願い、答辞といたします。

令和3年3月1日

卒業生代表 垂石 世成