カテゴリー: 高校

台湾のIT大臣と高校生のシンポジウムを視聴しました

11月16日(月)の放課後、台湾のIT(デジタル)大臣オードリー・タン氏と高校生による「近未来の教育について考える」シンポジウムが開催されました。これは、熊本県立熊本高等学校がWWL(ワールド・ワイド・ラーニング)九州地区事業連携校とともに開催したものです。
本校では高校1年次有志十数名が、九州7県7校の高校生の質問、タン氏の回答という形で進められたシンポジウムのようすを視聴しました。(最後の質問は、全国260校から出された質問の中から投票で選ばれた質問でした。)
16歳で起業し「世界の頭脳100人」にも選出された希代の天才の生の声、そして、何よりタンさんの人としての在り方にも触れる機会としてたいへん貴重な時間になりました。

タンさんは、高校生のさまざまな質問に対して一つ一つ丁寧に回答されておられました。ここではその中からいくつかをご紹介します。

Q:タンさんが生きていく中で信念とされていることはなんですか?

A:大好きな詩人のレナード・コーエン(Leonard Cohen)さんの「万事には裂け目がある。裂け目があるからこそ、そこから光が差し込むのだ」(There is a crack in everything and that‛s how the light gets in.)という言葉を信念にしています。

Q:AIは、文明の進展にどの程度貢献できるでしょうか?

A:私は、AI(Artificial Intelligence)を、Assistive Intelligence(アシストする知能)、つまり、人間の手助けをするためのもの、あるいは、できるけど人間がやりたくないことを代わってやってくれるものと考えています。同じような例として「火」をあげることができます。もともと食べられるものを、火に通すことによって食べやすくしたり、消毒したり、保存しやすくしたりすることで「火」は文明に貢献してきました。しかし、扱いを誤れば人間に悪影響が及びます。AIも同様です。どのように扱えばよいのかを考えられるようにすること、そしてそのための教育が大切です。

Q:私たち高校生はこれからの社会で改革を起こしていく立場にあります。タンさんは誰も挑戦したことがない改革に取り組む際、”失敗したらどうしよう”という不安に対してどのように対処していますか?

A:完璧だったら何も言うことはありませんが、失敗があるからこそほかの人との交流が生まれます。自分よりいい知恵を持っている人からは、それを拝借すればいいのです。失敗は怖くありません。若い皆さんには早めに失敗し、それを表(おもて)に出すことをお勧めします。失敗が新しいことを創り出すきっかけになるのです。

Q:16歳で起業する際、必要な知識を独学で学ばれたとお聞きしましたが、どのように学ばれたのですか?

A:社会的に解決すべき課題がどこにあるのかを探すところからスタートしました。私の場合は、家の不必要なものを、どのようにして必要な人に提供するかという課題の解決を考えました。その方法としては物々交換、オークションなど様々な方法が考えられますが、需要を探すことが最も大切です。そして、必要としている人の意見をよく聞き、失敗を重ねながらよりよいものに変化させていくことが重要です。

Q:プログラミングの第1線で必要とされる人材になるためにはどのような能力が求められますか? また、私たち高校生は何から始めればよいでしょうか?

A:プログラム・デザインと言われるように、プログラミングでは「デザイン思考」を身に付けることが大切です。デザイン思考では、問題を解決するために、まず使う人たちの意見を集約し、そこから共通の価値を見い出して解決方法を考えます。その方法は、自分がはじめに考えたアイデアとは違っているはずです。つまり、異なる考えや意見を持っている人と協働で開発していくことが大切なのです。日常生活の中でマンネリ化していることでも、ちょっと方法を変えることによって楽しくなったりすることがあります。そのように、新しい生き方を考えていくことを繰り返していくとデザイン思考が身に付いてくると思います。

 

最後の質問に対するタンさんの回答の内容は、東桜学館が取り組んでいる未来創造プロジェクトの基本的な考え方の一つである「デザイン思考」についてでした。

台湾デジタル大臣「唐鳳」を育てた教えと環境 ~天才をつくった恩師の言葉と両親の教育~(東洋経済ONLINE)

 

台湾のIT担当大臣オードリー・タン氏とは(案内リーフレット等から)

生後8ケ月で言語を話し始める。8歳から独学でプログラミングを学び始める。小中学校では転校を繰り返す。12歳、コンピュータで※Perlを学び始める。14歳で中学校を退学する。その後、プログラマー・ホワイトハッカーとして台頭すると、16歳でインターネット企業を立ち上げ、19歳で米・シリコンバレーでも起業する。24歳、Perl6の実装Pugsを開発、普及活動に尽力。米AppleでSiriの開発に携わる。トランス・ジェンダーであることを公表し、名前も「唐宗漢」から「唐鳳」に改名(英名:オードリー・タン)とした。
アメリカのApple社顧問に就任するが、33歳でビジネスの世界からリタイアを宣言する。35歳の時、史上最年少の若さで蔡英文政権にIT大臣として入閣し、IQは180超とも言われている。
新型コロナウイルスが蔓延する台湾で、マスク在庫がリアルタイムで確認できるアプリ「マスクマップ」を開発し、その対応が絶賛された。

※Perl:ラリー・ウォールによって開発されたプログラミング言語である。 実用性と多様性を重視しており、C言語やsed、awk、シェルスクリプトなど他のプログラミング言語の優れた機能を取り入れている。 ウェブ・アプリケーション、システム管理、テキスト処理などのプログラムを書くのに広く用いられている。(「Wikipedia」より)

 

11月4日(水)SS健康科学【講話④】 生徒感想

◆ 講 師 山形県立米沢栄養大学  成田新一郎教授

◆ テーマ 『進化の仕組みと現代人の食と健康』

◆ 対象者 高等学校1年次生

◆今回の講義は、以前に生物基礎で習ったこととリンクしていて、基礎知識があったので、より面白く聞くことができた。また、体の進化と周囲の環境の変化がうまくかみあっていないことで、今までは餓死してしまった消費エネルギーの少ない人がエネルギーを蓄積しすぎてしまいメタボになりやすくなってしまったという話を聞き、社会だけではなく人間の体も絶えず進化又は退化していることを感じた。また、メタボ・メタボでないという違いは大腸菌と大きく関係していること。その腸内環境は自分の食べ物でコントロールできることは知っていたが、自分の体とその中にある菌類には3種類の関係があることは知らなく、自然界と自分の体内環境はとても似ていることが興味深かった。(3組)

◆私は今回の講義をお聞きし、自分の固定観念のようなものが覆されたように思う。例えば、“共生”の定義には非常に驚かされた。私はこれまで読んで字の如く、共に生きることだけが“共生”であると考えていた。しかし、本来の意味は“互いに影響し合って生きること”であり、そう考えると共生が表す対象は大幅に広がるはずだ。また、人間の進化と文明の発展のスピードの違いが、人体に影響を及ぼしているという事実も今回初めて知った。歴史と共に徐々に変容させて生きてきた動物の体のしくみというのは人間に限らず非常に興味深いものであると思う。さらに、先週の“便”の講義の内容とも相まって、腸内細菌との関連性のある様々な疾患や免疫組織の重要さ、重大さを再認識することができた。食と健康の捉え方も多角的な見方をすることで様々な側面があらわになるということが中々おもしろいなあと思う。(3組)

◆大学紹介では、栄養士と管理栄養士の違いについて詳しく知ることができた。管理栄養士は、病気の人の栄養バランスなどを考える職だと分かった。私は、医療系の職業に興味があるので、人間が生きていく上で一番重要な栄養について学んでサポートする職業もいいなと思った。最初のテーマ「進化の仕組みと現代人の食と健康」では、人間にとって食べることは一番重要なことだと分かった。また、ただ何かを食べればいいのではなく、栄養素を正しく摂ることが重要だと分かった。その理由は、現代文明の急速な発展に人の体は適応できていないからだ。後半の「常在細菌叢と健康」では、常在細菌叢が生体に有利に働く場合、新たな病原菌の侵入・感染を防ぐために拮抗現象が起きることが分かった。赤ちゃんがはちみつを食べてはいけないと言われている理由は、腸内細菌が少ないため、ボツリヌス菌が増えて毒素を作ってしまうからだと分かった。(4組)

 

 

「東桜フードドライブ」プロジェクト活動報告

フードロス削減を目指して、家庭クラブ(家庭基礎を履修している1年次生)の活動として、フードドライブに取り組みました。実施期間は、10月12日~16日と短い期間ですが、1年次各クラスでの呼びかけにより、76品(2箱分)が集まりました。集まった食品は賞味期限などを確認し、10月20日に「やまがた福わたし」代表伊藤様にお渡ししました。御協力いただきありがとうございました。

フードドライブ:家庭で余っている食べ物を持ち寄り、フードバンクを通して食べ物を必要としている施設や団体に提供する活動

 

 

【放送部】県新人大会朗読部門で1位を獲得しました。来年度全国総合文化祭和歌山大会への出場決定!

10月30日(金)に、県生涯学習センター「遊学館」を会場に、県放送新人大会が開催されました。今年度は、新型コロナ感染症の影響で、これまでの大会や講習会がすべて中止になっており、1・2年生にとっては初めての大会となりました。本校からは1年次生7名全員、2年次生7名全員がエントリーし、緊張感の中でこれまで部員一丸となって、練習してきました。

この大会で、朗読部門に出場した大類ひばりさん(2年4組)が1位、深瀬萌心さん(2年5組)が5位、アナウンス部門に出場した鈴木菜々乃さん(2年4組)が5位となり、3人は東北新人大会への出場を決めました。また、この大会は来年度の全国総合文化祭の県予選も兼ねていることから、1位となった大類ひばりさんは、来年8月に和歌山県で開催される全国総合文化祭への出場権を獲得しました。

「山形県高等学校総合文化祭最北大会」が開催されました

県内高校生による文化芸術の祭典「山形県高等学校総合文化祭」の展示部門等が、10月9日(金)~11日(日)、東根市民体育館等を会場として開催されました。

大会テーマは「最上峡の錦繍(きんしゅう)のごとく 織り成せ 文化の綾」です。テーマの作者である東桜学館3年遠藤真理さんは、かるた部に所属しており、小倉百人一首の中でも特に好きな秋の歌をモチーフにしてこのテーマを考えたとのことです。

今年度の高総文祭は、新型コロナウィルスの影響で規模を縮小しての開催となりましたが、県内高校生の日頃の文化芸術活動の成果を披露する貴重な機会となりました。

特に、本大会は東桜学館が事務局校ということもあり、本校生徒が大会の準備・運営・撤収のサポートに大いに貢献しました。大会運営に当たられた最北地区の文化部顧問の先生方からもその働きぶりにお褒めの言葉をいただきました。

次の写真は、東根市民体育館で開催された展示部門のようすです。東根市民体育館では、美術・工芸、書道、写真、新聞、科学、華道の展示を行いました。また、11日(日)の撤収作業では、美術・工芸や書道等の作品の梱包、運搬、展示パネルの運搬など、午後1時から5時30分頃まで撤収作業を行いました。

10月7日(水) SS健康科学 【講話③】  生徒感想

◆ 講    師  山形県立保健医療大学 保健医療学部 作業療法学科 佐藤 寿晃教授

◆ テ ー マ  『 認知症の基礎知識とリハビリテーション 』

◆ 対 象 者  高等学校 1年次生

 

 

 

 

 

 

◆作業療法について、今まで詳しく知らなかったけれど、人とのコミュニケーションをとってリハビリを助けるという意味で、興味深いなと思った。生活障がいをもつ人とのかかわり方、接し方を見て、とても近い距離でかかわり、接しているなと感じた。生活障がいや認知症などは決して珍しいことではないし、これからの人口推移を考えると今後もっと増えるかもしれないと思った。だからこそ周囲の若者がサポートしていくべきだし、認知症などが高齢者のみ心配される病気ではないということを自覚しなければならないと思う。しかし同時に、家族への負担もかなり大きいところが大変だと感じた。だから、家族のケアも必要だと思った。身近な人がサポート、介護をし、次の世代の人にサポートされるというようなサイクルで助け合えるような地域、社会にしていきたいと思う。普段の生活では、何気ない身近なコミュニケーションを大事にするなど今のうちからしていきたい。(1組女子)

◆私は看護師になりたいと考えているけれども、久々に他の職に興味を持つことができた。人のため、人を助けるための職に就きたいと思っているので、障がいのある人々などに寄り添って助けていくというところがとてもいいなと思いました。しかし、看護師、作業療法士のどちらを目指すにしろ自分の生活が今しっかりしているとは言い難いので、今のうちから親の手伝いを行い生活力をつけていきたいと思いました。また、チーム医療で患者さんを助けていくために、自分がなりたいのは「これだから」と1つの職のことを知るのではなく、他の職の仕事についても知って、その知識を活かして協力できるように、これから学んでいきたいなと思いました。家族が認知症になったとき、ある程度リハビリをさせてあげられるように認知症について知識を得ておきたいと思いました。(2組男子)

◆今日の講演を聴いて、認知症について理解を深めることが大切なんだと思いました。今までの理解度だったら、もし、両親が認知症になってしまったら、自宅介護をするなかで「何で出来ないの」とか「何でするの」と言ってしまったかもしれません。でも、講演を聴いて、認知症は誰にでも起こりうることで、避けられない症状というものがあることを知り、どうやって接していけばよいかを学ぶことができました。だから、もし、これから祖父母や両親が認知症やその他のリハビリの必要な病気にかかった場合でも、決してその人自身を責めないで、受け入れてあげることができると思います。また、講演の中で、医療系に進む人に必要で大切なことを教えてもらって、看護を目指すにあたって、もっと人と話すのを上手になりたいと思いました。それから、今は自分の生活の半分ほど両親に支えられている状態だから、生活力をつけていきたいです。自分のこともそうだけど、身の周りの人が認知症にならないために予防も一緒にやっていきたいと思います。(2組 女子)

東桜学館を会場に最北地区の高校生が金山杉に書をしたためました

東桜学館を会場に、最北地区の高校の書道部員が、金山町特産の金山杉の板に「百花繚乱」「花鳥風月」「明鏡止水」といった熟語や好きなフレーズを書き込んだ作品を制作しました。
これは、10月に予定されている県高等学校総合文化祭書道部門の取組の一環として、また、本県の豊かな森林資源を有効活用する「やまがた森林(モリ)ノミクス」を推進することを目的として行われたものです。作品は、10月9日~11日、東根市民体育館に展示されることになっています。
なお、この取組に関する記事が8月15日の山形新聞に掲載されました。

 

東桜学館生によるボランティアサークル「3peace」の取組が山形新聞に掲載されました

東桜学館の生徒によるボランティアサークル「3peace」の取組が8月14日の山形新聞に掲載されました。

 

山形新聞の「1学級1新聞 読んでみました」のコーナーで東桜学館の取組が紹介されました

東桜学館では、山形新聞さん等のご支援を受けながら、社会の出来事等に目を向けながら情報を読み解く力の育成に取り組んでいます。その中から、3年次深瀬美希さんと布川みわ先生の取組が8月10日の山形新聞で紹介されました。

AIプロジェクト始動

8月3日、山形工業高校において、県内の高校生による「やまがたAI部」発足の記者会見が行われました。これは、河北町にある金型メーカーの株式会社「IBUKI」(代表:松本晋一(しんかず)氏)が、県内の企業や経済団体、大学等と連携し、県内の高校生を対象にAI教育を推進しようとするものです。

本校からも、高校1年次生7名がこのプロジェクトに取り組むことになっており、そのうちの3名が、オンラインで記者会見に参加し、活動に対する期待や抱負を述べました。

参加する高校生の皆さんには、これからの時代に求められる「データ×AI」について学ぶ貴重な機会として、多くのことを吸収してくれるよう期待したいと思います。

東桜学館では、今後とも、SSH事業等を通じてデータサイエンスの取組を充実させ、イノベーションに挑戦して様々な課題を解決し、地域社会や国際社会の発展に貢献するとともに、自己実現しようとするマインドを育成していきたいと考えています。

県内11校による”やまがたAI部”立ち上げ(「IBUKI」のWebページ)