高校陸上部のページを更新しました。4/22(土)にNDソフトスタジアム山形で開催された、今季のトラック&フィールドの開幕戦でもある山形陸上競技協会第61回強化記録会に参加してきました。是非、ご覧ください!!
カテゴリー: 高校
開校から7年が経過しようとしています。
この間、保護者や地域の皆様のご支援のもと、生徒諸君の日々の努力と挑戦により、東桜学館は成長を遂げてきました。
心より感謝申し上げます。
このたび、私は東桜学館における7年間の校長職を最後に定年退職を迎えることになりました。
そこで、令和3年度(2021年度)の「全国高等学校長協会 第73回総会・研究協議会」における発表資料(一部加筆)を掲載し、この7年間の歩みの一部を紹介させていただきます。
「高い志」「創造的知性」「豊かな人間性」の具現化を目指して
〜山形県内初の併設型中高一貫教育校としての取組〜
Ⅰ はじめに 学校・地域の概要
1 開校6年目(当時)のSSH指定校(令和5年度で開校8年目になります)
本校は、平成28年(2016年)4月、山形県東根市に誕生した県内初の併設型中高一貫教育校です。
高等学校は令和3年度で開校百年を迎える旧楯岡高等学校(村山市)が母体となり、中学校は1学年ずつ年次進行で学年が増えていく形でスタートしました。6学年すべてがそろってから、令和3年度で4年目となります。
また、開校2年目にSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定校に、3年目にユネスコスクールの認定校になりました。
2 さくらんぼの里 東根市
東桜学館のある東根市は、山形県の中央部、村山盆地に位置し、東は仙台市、南は山形市・天童市に隣接しています。
東根市は、さくらんぼの生産量が日本一の果樹や稲作等がさかんな田園都市です。また、県内ではほとんどの市町村で人口が減少している中、人口が増加傾向にあります。
3 学級編成
併設中学校の定員は、本県で実施している少人数学級編制「教育山形「さんさん」プラン」により、1学年99名(33名×3クラス)となっています。
高校の定員は1学年200名ですが、1年次のみ、原則として1クラス33~34名の6学級で編制しています。なお、1年次では、外部進学生(本校では、高入生と呼んでいます。)と内部進学生(一貫生)は別々のクラスとしています。
2年次からは、文理別のクラス編成となり、原則として高入生と一貫生の混合クラスとなります。
4 ICT環境
すべての普通教室に短焦点型のプロジェクター、特別教室には主として80インチの大型プロジェクターを配置しています。
GIGAスクール構想により、中学校では一人1台の端末が整備されました。高校については、タブレット端末を百数十台整備するとともに、本校の独自回線を活用してBYOD(Bring Your Own Device)を導入しています。(令和4年度からは、高等学校でも一人1台の端末が整備されています。)
昨年度は、本校でもオンラインの活用が進みました。今後は、様々な学校とオンライン等を活用しながら交流を深めていきたいと考えています。
Ⅱ 東桜学館のグラデュエーション・ポリシーの確立に向けて
(令和4年度には「スクール・ポリシー」を策定しました)
1 基本理念・教育目標
本校は「高い志」「創造的知性」「豊かな人間性」を基本理念とし、次の3つを教育目標としています。
1 地域社会及び国際社会の発展に貢献しようとする高い志を育てる
2 豊かな感性や探究心と論理的な思考力を基盤とした創造的知性を育てる
3 心身ともに健やかで、郷土愛と公共の精神に富む豊かな人間性を育てる
2 東桜コンピテンシー
3つの教育目標を達成するため、令和元年度から、生徒に身につけてほしい資質・能力を「東桜コンピテンシー」として掲げ、現在は、次の①~⑪について、教育活動での定着を図るよう取り組んでいます。
《東桜コンピテンシー》
①ビジョン ②想像力 ③実行力 ④知識・技能 ⑤論理的思考力 ⑥批判的思考力 ⑦判断力 ⑧表現力・発信力 ⑨創造力 ⑩傾聴力 ⑪自己効力感
Ⅲ SSH事業への取組 ~「創造的知性」の具現化に向けて~
1 SSHの中核は「未来創造プロジェクト」
開校2年目から、文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」事業の指定を受け、「やまがたの未来をつくるグローカルな視点を持った科学技術人材育成プログラム」の開発をテーマに研究開発に取り組んでいます。(SSH事業は、令和4年度からⅡ期目5年間がスタートしました。Ⅱ期目のテーマは「中高一貫教育校を核としたやまがたの未来を拓くグローカルな視点を持った科学技術人材の育成」です。)
チャレンジSSH(山形県独自の事業)の指定校として準備を進め、開校初年度にSSHの申請を行いました。
ここでは、東桜学館のSSH事業における取組の一部を紹介します。
SSH事業の中核となるのは中高6年間を通じて取り組む課題研究「未来創造プロジェクト」です。
「未来創造プロジェクト」では、科学技術人材としての資質・能力を育成するための中高一貫教育における体系的な教育プログラムの開発に取り組んでいます。
6年間の探究活動の流れは次のとおりです。
《中学校》
「総合的な学習の時間」(各学年55時間程度)
《高等学校》学校設定科目
1年次「SS総合探究Ⅰ」(1単位)
2年次「SS総合探究Ⅱ」(2単位)
3年次「SS総合探究Ⅲ」(1単位)
中学1年生は、入学してまもなく、東北芸術工科大学(山形市)の先生方による「デザイン思考」の講座を受講します。
講座では、“友人のペンケースをデザインする“のようなテーマについてプロトタイプを作成する過程を通じて探究的・協働的な学びを実践しながら体験します。講座で培われた力は、授業をはじめとするその後の学校生活全般において発揮されているように感じています。
生徒の「創造的知性」を育む土壌を整え、東桜学館ならではの探究活動の流れを完成させることを目的に毎年ブラッシュアップを図っています。
東桜学館では、「未来創造プロジェクト」の研究成果等を外部で発表したり、外部の研修に参加したりすることを推奨しています。
次は、これまでに参加した主な外部のコンテストや研修及びそこでの実績です。
・やまがたイノベーションプログラム 最優秀賞
・やまがたAI甲子園 最優秀賞
・デザイン選手権Jr(中学生対象)準優勝
・マイプロジェクトアワード
・Mono-Coto Innovation 2018 全国決勝大会
・高校生バイオサミットin鶴岡
・東北大学探求型「科学者の卵養成講座」
・創造性の育成塾
・クエストカップ全国大会 グランプリ受賞
・山形県探究型学習課題研究発表会 小白川キャンパス賞
・科学の甲子園県大会
・郷土yamagataふるさと探究コンテスト
「未来創造プロジェクト」では、地域の課題に取り組む生徒もいます。そこで、東根市役所と連携し、地域政策や観光関連の担当課長等から、生徒の発表を見ていただき、指導や助言を頂戴する場を設定しています。
2 学校設定科目「SS健康科学」
「融合教科・科目とその教育課程の開発により科学技術人材に求められる思考力・判断力・表現力や科学的リテラシーが育つ」という仮説のもと、理科を中心に学校設定科目を開設しています。
その中で、「保健」と「家庭基礎」の学習内容の関連性や系統性を重視し、自然科学的な観点から再編成して学校設定科目「SS健康科学」を開設しています。
本校では、進学先として保健医療系を希望する生徒が多いこともこの科目を設定した理由です。
地元の山形大学、県立保健医療大学、県立米沢栄養大学の先生方による講義のほか、県立保健医療大学を訪問し、施設見学やワークショップ形式での実習を行っています。
3 東桜フィールドワークによる実践
これまで、SSH事業ではさまざまなフィールドで活動してきました。
中学1年生が、1泊2日で庄内浜での東桜キャンプ。
高校1年次生は蔵王、中3・高1の希望者が沖縄西表島、高1・高2の希望者がハワイなどです。(現在は、蔵王、ハワイでの研修は行っていません。)
コロナ禍で校外での活動に制約が出ているため、令和2年度は、代替研修として県内唯一の離島である飛島での1泊2日のフィールドワークを企画しました。しかし、それも前日からの悪天候によって定期船が欠航となったため、庄内フィールドワークに切り替えることとなりました。
そこで、令和3年度、改めて「飛島フィールドワーク」を計画し、コロナ禍でも可能な研修として実施する予定です。(令和3年度、4年度に「飛島フィールドワーク」を実施しました。)
※フィールドワークの内容については、年度毎に検討を重ね、現在は記載の内容とは一部異なっている点があります。
4 授業改善の取組
本校では、SSH事業、国際交流を所管する研究課が授業研究にも取り組んでいます。
開校当初から「知識構成型ジグソー法」へ取り組み、協働学習について研修を重ねてきました。
近年では、英語科においてCLIL(Content and Language Integrated Learning)を活用し指導改善に取り組んでいます。
また、学校全体で互見授業の期間を設け、中高や教科間の連携を図ることとしています。
Ⅳ 国際理解と外国語教育の充実
1 海外の学校との交流の推進
本校は、開校3年目にユネスコスクールの認定校となり、国際理解教育やSDGs(持続可能な開発目標)が掲げる目標を踏まえた探究活動、他校との交流を促進する基盤ができました。
令和元年11月に開催された第1回ユネスコスクール北海道・東北ブロック大会に中高生が参加したほか、中国ハルビンの松雷中学校や台湾国立彰化高級中學校の生徒の皆さんを迎えての交流、香港・マカオ研修旅行における香港・信義中学校との交流など、ユネスコスクールとしての活動も着実に成果をあげてきております。
写真は、台湾の高校生に百人一首を紹介するかるた部の生徒のようすです。
今後は、オンラインでの交流や相互訪問による交流、「未来創造プロジェクト」での共同研究等、さらに国内外の学校との交流を推進していきたいと考えています。
2 英語を活用したアクティビティの充実
中学校では、「イングリッシュ・キャンプ」「イングリッシュ・アクティビティ」として、海外から留学中の大学生と交流する機会を設けています。過去5年間では、天童市内を散策しながら名所等を留学生に紹介するアクティビティや自分たちで英語劇を創作して留学生と交流するなど、工夫を重ねながら取り組んできました。
3 英語ディベートへの取組
英語ディベートへも積極的に取り組んでいます。
中学校では、有志による「全国中学生英語ディベート大会」への参加、中学3年生全員による校内英語ディベート大会の開催などに取り組んでいます。
写真は、中学3年生による校内英語ディベート大会決勝のようすです。
高校では、ESS部を立ち上げ、全国英語ディベート大会に初出場するなど、論理的・批判的思考力や仲間との協働性の育成の観点からも今後の取組の充実が期待されています。(令和4年度に、「第8回PDA高校生即興型英語ディベート全国大会」において第3位に入賞するなど、年々実績を重ねています。)
Ⅴ キャリア教育の充実
1 「クエストエデュケーション」の導入
中学校段階からのキャリア教育の充実を図るため、「教育と探求社」による「クエストエデュケーション」を導入しています。
開校まもない中で、教員の負担はできる限り増やしたくないという本校の事情。プログラムの中に全国大会が設定されているため、生徒の挑戦の機会を増やすことができる。このような点が導入の決め手となりました。
年末には校内で発表会を開催し、取り組んだ成果を保護者の皆さんの前で披露しています。また、全国大会にもエントリーし、予選を通過したグループは東京で発表する機会(クエストカップ全国大会)を得ます。
全国大会に出場したチームの中には、大和ハウスの大阪本社に招待され、社員の皆さんの前で発表させていただいたチームもありました。(令和2年度の「クエストカップ全国大会」は、残念ながらオンラインでの開催でした。)
令和2年度のクエストエデュケーションでは、次のようなプログラムに取り組みました。
《中学1年生》
「人間探求 ロールモデル」
日本経済新聞のコラム「私の履歴書」を題材に、著名人の生き方を学びながらストーリーを作成、それをグループでプレゼンテーションします。
《中学2年生》
「企業探究コース コーポレートアクセス」
実在する企業からのミッションについて、働くことの意義や経済活動について学びながらグループで探究し、プレゼンテーションします。
昨年度参加した企業の中から、博報堂のミッションを紹介します。
◇博報堂◇
”ここからの、あたりまえを私たちがつくる。人が生涯のなかで「学ぶ瞬間」を最大化できるいまだここにない仕組みを提案せよ! ”
《中学3年生》
「進路探究 マイストーリー」
一人一人が自分を主人公とする物語を作成。自分の15年間を俯瞰して、これからどのように生きていくのかを文章にまとめ、発表します。
「社会課題探究 ソーシャルチェンジ」
生徒が自ら身近な社会課題を見つけ、解決策をチームで考え、プレゼンテーションします。
《高校1年生》
「社会課題探究 ソーシャルチェンジ・イングリッシュ」
「社会課題探究 ソーシャルチェンジ」に英語で取り組みます。
2 各種講演会の開催
年間を通じて幅広い分野の方々からお話をお聴きする機会があります。令和元年度にはJAXAの武井悠人さん(本県出身)から「はやぶさ2」のプロジェクトに関するお話をお聴きしました。また、高校1、2年生を中心に、大講義室を開放し、東京大学「高校生のための金曜特別講座」の視聴を推奨しています。(現在は、中学生も金曜特別講座を積極的に受講しています。)
Ⅵ 学校行事など ~「豊かな人間性」の具現化に向けて~
1 ボランティア活動
東根市が主催する「果樹王国ひがしねさくらんぼマラソン大会」での運営協力や市内の保育園や施設などを訪問して実施する「一斉ボランティア」。また、8月に開催される「ひがしね祭」の欅曳(けやきびき)への参加など、ボランティア活動にも積極的に取り組んでいます。
そのほかにも、生徒会等を中心にして、フードドライブやユニクロの“届けよう、服のチカラ”プロジェクトなどの活動に参加しています。
2 研修旅行
SSH事業による校外研修のほかに、中学3年生と高校2年生では研修旅行を実施しています。
当初は、中学3年生は香港・マカオへ、高校2年生は、シンガポールと関西方面の選択で旅行を実施しておりました。
現在は、国際情勢やコロナ禍の影響を受け、行き先の見直しなど計画を変更した上で実施しています。
3 伝統行事「百人一首かるた大会」
すべてが新しい東桜学館において、前身の楯岡高等学校から続く「百人一首かるた大会」は、昨年度で68回を数える伝統行事です。
中学1年生から高校2年生全員が、一堂に会し、中高合同で開催しています。
中高一貫教育校となったことで、昨年度のかるた大会は、5回目の参加となる高校2年生(内部進学生)から初めての参加となる中学1年生や高校1年生(外部進学生)まで多様になりました。実行委員会では、経験値が異なる参加者全員が楽しめるよう、生徒が大会運営に工夫を凝らして企画・運営しています。
4 「ヤングアメリカンズ」の導入
令和元年度に「ヤングアメリカンズ」事業を実施しました。公立の学校としての単独開催は、全国で2校目のようです。
「ヤングアメリカンズ」は、NPO法人じぶん未来クラブが運営している事業で、学校やコミュニティを訪れ、小・中・高校生たちと一緒にわずか2~3日間で歌やダンスのショーを作り上げる内容です。
本校では、中学3年生と高校1年生が、2日間にわたってヤングアメリカンズのメンバー40名と歌やダンスに取り組みました。そして、2日目の最後に、保護者の皆さんにつくり上げたショーを見ていただきました。
もともと歌やダンスが得意な生徒はもちろんのこと、普段は比較的おとなしい生徒も楽しそうに歌い、踊っていました。生徒と一緒に参加した教員は「これは体験してみないとわからない。」と話していましたが、そのとおりだと思います。
世界共通言語である音楽を通して数百人の子どもたちが共に学び、お互いの強みを尊重し、自分の可能性を発掘します。本校では、自己開示のきっかけづくりになることを目的として開催しました。一人でも多くの生徒が「かっこつけないくていいんだ」「あるがままでいいんだ」と感じてくれることを願っています。
開催にあたっては、メンバーのホームステイ先の支援を必要とします。これは、積極的に協力を申し出てくださった数多くの保護者の皆さんの支援で解決しました。
また、地元企業等のご支援をいただき、開催することができました。
5 新入生セミナー
中学校では、毎年40校以上の小学校から生徒が入学してきます。
そこで、入学してまもなく、中学校では天童市内の県の施設で1泊2日の「新入生セミナー」を開催し、アイスブレイクのアクティビティを行ったり、学年・学級の目標を考えたり、天童市内をグループで散策したりするなどの活動を行っています。
高等学校でも、学校生活に早く慣れるとともに、外部進学生と内部進学生の融和を図るため、1泊2日で「新入生オリエンテーション」を行っています。
6 マスコットキャラクター「桜輝」の誕生
開校初年度、生徒会の役員に、学校のマスコットキャラクターをつくってみないか、と声をかけたところ、その年度の生徒会の目標の一つに掲げてくれました。そして、生徒会でデザインと名称を募集して決まったのが東桜学館公認のマスコットキャラクター「桜輝(さくらっきー)」です。
Ⅶ コロナ禍の1年を振り返る
開校以来さまざまな事業に取り組みながらブラッシュアップを図ってきた本校にとって、コロナ禍の令和2年度は非常に大きな痛手となる1年でした。
そのような中、臨時休業中にさまざまなことを感じ、「自分たちに何かできることはないのか」を考え、実際に行動に移す生徒が出てきました。
その一つに、高校1年次の有志生徒が制作した動画「高校生のつぶやき~コロナに一言申します~」があります。この動画は、令和2年5月20日に地元のローカルニュースで取り上げていただきました。
Ⅷ まとめ
1 「高い志」の具現化について
~全国学力・学習状況調査の結果から~
これまで取り組んできた成果が生徒の意識にも少しずつ表れてきていることを感じています。
たとえば、令和元年度の全国学力・学習状況調査における質問紙調査の「地域や社会をよくするために何をすべきかを考えることがある」について、「当てはまる」「どちらかといえば、当てはまる」と答えた本校中学3年生の割合はあわせて約75%でした。(全国平均が約40%)
「高い志」に係る教育目標の理念が生徒の意識に根づいてきていることをうかがわせる結果となりました。
2 「創造的知性」の具現化について ~校外の活動に対する積極的な参加~
山形県は、残念ながら起業が活発とは言えません。しかし、近年、本県では中高生の成長をサポートする取組が生まれてきています。本校の生徒もそのような活動に積極的に参加しています。
校内で探究活動の基礎をつくり、それを校外の活動でも発揮できる、そのような環境が整いつつあります。
(1)やまがたイノベーションプログラム
令和元年(2019年)の夏休み、こんなことがありました。
「校長先生、東桜学館の生徒がイノベーションキャンプにたくさん参加していました。」
「やまがたイノベーションキャンプ」事業(山形県、山形大学、山形放送主催、3泊4日)を視察した教員からの報告でした。生徒が学校を通さず、自主的に参加する事業でしたのでうれしい知らせでした。
早速私も会場へ向かい、さらにうれしくなりました。アドバイザーの若手起業家の皆さんに果敢に質問する本校生の姿が、至る所で見られたからです。
東桜学館の基本理念の具現化が、また一歩進んだと実感する瞬間でした。
この事業は、令和2年度、「イノベーションプログラム」に名称を改め、8~11月にわたり、各地区で分散して開催されました。本校からも生徒が参加し、決勝大会では、中学生のグループが高校生を含めた全体の中で2番目の評価をいただきました。(令和3年度には、中学生のグループが最優秀に輝きました。)
このプログラムに参加した生徒の中には、在学中に起業したいと話している者も出てきています。(令和4年度には、高校生が起業しました。)
(2)「やまがたAI甲子園」への参加
※令和4年度は、東桜学館が「やまがたAI甲子園」で最優秀に輝きました。
令和2年度、山形経済同友会を中心に「やまがたAI部運営コンソーシアム」が組織され、県内11の高校でAI部の活動がスタートしました。
AI部の活動は、学校毎に「ものづくりAIコース」と「スポーツAIコース」に分かれ、AIについての基礎を学んだあと、与えられた課題に取り組むといった内容です。
そして、令和3年3月7日、はじめて「やまがたAI甲子園」が開催されました。
今回示された発表テーマは、コース別テーマとして、ものづくりAIコースが「カンナがけ×AI」、スポーツAIコースが「運動部×AI」。共通テーマが「天気予想AI」でした。
高校生にとってはなかなか触れる機会の少ないAI。専門家の方々のご指導を受けながら、新たな課題解決の方法を学んだ生徒たちは、確実に自らの可能性を広げたようです。
3 今後への期待と課題
(1)多様なチャレンジの機会が選択できる学校へ
私がいま目指している学校の形は、さまざまなチャレンジの機会が提供され、自分が望めばそれに挑戦できる学校です。
山形県は、首都圏に比べ、選択できる学校の幅が限られます。したがって、進学した先の学校に様々なチャレンジの機会があることが大切だと考えているからです。
(2)“東桜スタンダード”の確立 ~C&Aが機能する体制へ~
開校からこれまで、生徒の進学に対する志は高くなってきています。当然、それに合わせて、学校の体制や授業改善の方向性等を変えていく必要があります。
東桜学館はいま過渡期を迎えています。
この5年間をしっかりと振り返り、そこから何を学び、次の5年間にどのようにフィードバックしていくのか。
先生方と知恵を出し合いながら、何事にも積極果敢に挑戦する生徒に、よりよい学び舎を提供できるよう今後とも取り組んでまいりたいと思います。
「やまがたAI甲子園」に探究部が出場し、最優秀賞(競技部門第1位、探究部門第3位)を受賞しました。
このことに関する記事が、3月22日の山形新聞に掲載されました。
あわせて、YBCのニュースでも放送されました。
やまがたAI甲子園 高校生らしい発想で課題解決 – YBC 山形放送
スーパーサイエンスハイスクール事業の一環として、7月27日~29日、「飛島フィールドワーク」(高校1、2年生22名が参加)を行いました。10月14日にその報告会を開催しました。
来年度(令和5年度)は、「沖縄・西表島フィールドワーク」を開催する方向で検討しています。
令和元年度に本校を卒業された松浦日向子さん(現在大学3年生)の祖父にあたる銀山上の畑焼き陶芸センター東羽都山窯(とううとざんがま)の代表 伊藤瓢堂 様とお母様の松浦加奈 様が来校され、茶道部へ茶器を寄贈していただきました。当日は、茶道部を代表して小関部長が、素晴らしい茶器を活用しながら稽古に励みたいと感謝の気持ちをお伝えしました。
茶器の絵柄には東桜学館の校章が描かれています。また、水指の蓋の裏には、日向子さん直筆の東桜学館の校歌の歌詞が記されています。もともとは令和2年3月、日向子さんの高校卒業の際に寄贈いただくことを予定されておられたそうですが、コロナ禍の影響により、今回お持ちいただいたとのことです。ありがとうございました。
東桜学館では、SSH事業や国際交流、授業改善等を所管する先生方の部署を「研究課」として位置づけ、中高が連携しながら組織的に取り組んでいます。
その取組の一つとして、毎年、中高合同の「校内互見授業」を開催し、中学校と高等学校が相互に、教科の壁を越えてそれぞれの実践を見ることにより学び合ってきました。本年度は、年間を通じて中高あわせて15回の互見授業を開催しました。
2月2日には、1年5組の「地理総合」の時間に、金田啓珠先生が「防災」について授業を公開されました。「なぜ、荒川一帯には0m地帯が広がっているのだろうか?」といった問いについて考えるなど、地形変化の人為的要因を考察することをテーマとして、一人1台の端末等を使いながらグループ単位で取り組みました。(授業の最後には、取り組んだ問いが東京大学の試験問題であったことが紹介されましたが、高校1年生でも十分、取り組むことができている様子でした。)