6月21日午後5時半より第3回の東大金曜講座が開かれ、高校1年次生51名が参加しました。今回は、「いろいろな次元の球」と題した金井 雅彦 先生 (東京大学 理学部 数学科・教授)の講義をオンラインで視聴しました。ボールや地球の表面は,厳密には2次元球面と呼ばれるもので、実は2次元に限らずいろいろな次元の球面を考えることができるとのこと。数学、特に幾何学における近年の大きな成果をご紹介頂きました。
【生徒の感想からの抜粋(敬称は男女とも「さん」)】
数式ばかり教わる授業だと想像していましたが、歴史的な話も入れてくださり、面白かったです。楽しく学べました。質問コーナーでは圧倒されました。今回の内容を理解した上で、質問を見出す高校生の方々。よく先生方がおっしゃる「戦う相手は全国」という言葉の重みを知りました。東桜学館という枠だけであがいていられないんだなとわかりました。(S. T.さん)
次元というのはすごく難しくて、私たちには手出しができないものなのかと思っていましたが、少し理解することができました。特に感動したのは球には2角形があるということで、その2角形が3つなっているところの面積から重なったところを引く面積は球の面積の半分と等しいということです。数学の次元という分野はとても奥深いのだなと思いました。(Y. Y.さん)
山形県立 東桜学館 中学校・高等学校
山形県立 東桜学館 中学校・高等学校
6月12日(水)、本校のSSH学校設定科目である、高校1年次の「SS健康科学」第1回の高大連携講座が開催されました。今回の講師は県立保健医療大学看護学科の豊田茉莉先生で、「思春期の性と妊娠・出産」という演題での講話と実習を行いました。内容は大きく4つのテーマで、1)思春期の身体と心の変化を理解しよう、2)ライフプランを考えてみよう、3)妊娠から出産までを見てみよう、4)希望した時期に妊娠・出産・子育てをするために、でした。体験実習として、胎児の重さを想定した妊婦体験ジャケットを装着して、「妊婦さんの身になって行動してみよう」を生徒代表者が階段昇降などを行って体験し、その大変さなどを実感しました。最後には活発な質疑応答もあり、本テーマについて理解を深めました。以下は生徒の感想です。
「身体の大切さが分かった。自分が思っている以上に身体はもろく心もダメージを負ってしまう。安易に遊びと思って身体を使わないで、自分を大切にしなければならないと思った。同時に相手に対して心を傷つけたり、自分も傷つかないようにするために、知識と智恵が重要だと思った。性行動の管理と他者への尊敬の気持ちを大切にしたい。先生のお話しを聞いて、人が生まれてくるということは本当に偶然であり、そうした命を大切にしていかなければならないと思った。思春期の自分たちでも、自分の行動には責任を持って、また人間関係をよくできるように努力したい。また妊婦体験実習で感じたが、これからは困っている人の助けになれるようにしたいと思った。(女子生徒)
「山形県でも20歳未満女性の出産がかなりあり、また人口妊娠中絶も多いことを知って驚いた。低用量経口避妊薬や緊急避妊ピルなどといった避妊の方法があるということだが、私たちの年齢の者はそうした手段を使わないことが大切で、望まない妊娠がないようにすべきであると思った。そのためには、性についての悩みなども含めて、いろいろなことを相談できる友人などの人間関係が大事であると思った。そして、先生がおっしゃっていたように、自分のことをよく知り、相手を尊重し、身体と心を健康に保ち、毎日の生活を楽しむような日常生活を送ることが大切であると思った。(男子生徒)
山形県立 東桜学館 中学校・高等学校
4月26日午後5時半より第2回の東大金曜講座が開かれ、「正義を実験する―実験政治哲学入門」と題した井上彰先生(東京大学 教養学部 教養学科・准教授)の講義を大講義室にてオンラインで視聴しました。貧困・格差・差別などの政治的・政策的課題が深刻の度を増す現状をふまえて,20世紀を代表する政治哲学者ジョン・ロールズの理論装置である「無知のヴェール」に関するオンライン・サーベイ実験を題材に、人々が探るべき「正義」の内実やその方向性を検討する実験政治哲学の意義と面白さに迫るという内容でした。中学3年生12名を含めた、高校3年次生までの88名が参加し、熱心に拝聴しました。
【生徒の感想からの抜粋(敬称は男女とも「さん」)】
政治哲学の方法で、前提条件に問題がないようにしないといけない、というのは、私たちが行っている未来創造プロジェクトにも共通する大事なことだと思った。東大の入学式の祝辞であったように、性別での格差がやはりまだあるので、それがないような未来が来てほしいと思った。(中学A.K.さん)
井上先生の「たくさん実験して、たくさん失敗している。裏切り方が面白い。そしてもう一度調査する」という言葉で、私も失敗しても、もう一度調べなおしたいと思えるような分野に出会いたいと思いました。(1年次M.S.さん)
今回の講座で正義についての見方が広がった。生議論の前提条件を「我々が納得できるもの」にするということをローガンは重視していた。そして実験から得られた結果によって「前提」すら変わってしまうことが分かった。(1年次M.F.さん)
山形県立 東桜学館 中学校・高等学校
今年度第1回の東大金曜講座(オンラインの双方向通信環境で,夕方5時半からの講義を全国の参加校が視聴する)が4月19日に行われました。「天体現象を計算機でシミュレートする」という演題で、東京大学教養学部学際科学科教授の鈴木建先生の講義を行ってくださり、本校からは高校1年次の生徒が42名参加しました。
太陽風や恒星風,ブラックホールの周囲の降着円盤,ジェットと呼ばれる超高速のガスの吹き出しなど,宇宙の「風」や「流れ」は何故、そして、どのように引き起こされるのか。昨今のコンピューターの性能の向上により,天体現象をコンピューターの中で模擬し,何が起きているのかを調べる天体現象の数値シミュレーション研究の一端を、太陽風をはじめとする天体からの流れを例に紹介して頂きました。また,講演後の質問には本校生徒2名が質問し,懇切丁寧にお答え頂き,19時までお付き合い頂きました。
【生徒の感想より(男女とも敬称はさんに統一しています)】
見えないものをシミュレーションで見てみようという発想が素晴らしいと思う。見えないのだからどうしようもないか、と諦めず頑張れるのがやはり本物の研究者だなと思った。流石に少し難しい話だったが,理解できるように勉強したいと思った。(S. S.さん)
太陽、宇宙の壮大さを改めて知った。しかしその宇宙に対して人間が持つ技術も予想を超えるもので,とても面白かった。音波などを用いて立体的にシミュレートするというのはやってみたくなった。(K. S.さん)
私は今まで身近なものと天文の世界を密接に考えたことがなかったので,身近なもので(今回は味噌汁など)できるのであれば,実際にしてみたいと感じた。また,宇宙には磁界が飛び交っていて,それが中心に集まっていくことがシミュレーションで分かり,その技術のすごさがわかった。(ブラックホールの中に入ると質量になると知ってびっくり!!)(Y. T.さん)
山形県立 東桜学館 中学校・高等学校
2019年3月14~15日に、高校1年次理系選択者96名が筑波の施設を1泊2日で巡り、科学への興味・関心を深めてきました。
1日目
3つのコースに分かれて研修しました。
コース①38名 高エネルギー加速器研究機構 ⇒ 土木研究所
コース②31名 農研機構農業環境変動研究センター ⇒ 物質・材料研究機構
コース③27名 農研機構ジーンバンク ⇒ 食と農の科学館 ⇒ 理化学研究所バイオリソースセンター
<高エネルギー加速器研究機構>
<土木研究所> <農研機構ジーンバンク>
<食と農の科学館> <理化学研究所バイオリソースセンター>
2日目
午前は、3つのコースに分かれて研修しました。
コース④ 26名 物質・材料研究機構
コース⑤ 33名 防災科学技術研究所
コース⑥ 37名 ツムラ 漢方記念館
午後は、全員そろって 筑波宇宙センター へ行きました。展示館「スペースドーム」では、実物大の人工衛星などを見ることができ、宇宙への関心が膨らんできました。また、見学ツアーでは「きぼう」運用管制室、宇宙飛行士養成エリアを見学しました。「きぼう」運用管理室では宇宙開発を支える様子をうかがい知ることができました。宇宙飛行士養成エリアでは、無重量状態が人体にどのような影響を与えるか、また、無重量状態が生物にどのような影響の実験について学ぶことができました。宇宙に近づけたひとときでした。
以下、生徒の感想です。
行く前までは、興味のある見学先が少なくて少し消極的でしたが、この2日間で大きく気持ちが変化しました。高エネルギー加速器研究機構では地球の誕生にかかわるようなCP対称性の破れの話が聞け、新たな発見がありました。楽しみにしていた物質材料研究機構では、以前見学した山形大学工学部での話とつなげて理解できる部分も多くあって自信につながりました。(男子)
今まで経験ができなかったことが体験でき、密度の濃い時間が過ごせました。理化学研究所で講話や見学が強く印象に残っていて、生物系のお話や細胞の話などは看護の道を目指す私にとっては大変興味深いものでした。全体で考えてみると、科学は私たちの生活を支えてくれるのだと改めて感じた。次世代のことを考えて科学を活用していくという話を伺って、将来私たちがその担い手になるという自覚と責任を感じ、今後地域を科学の力で支えられる人材になりたい思いました。(女子)
SSHである東桜学館高校に入って良かったと改めて思う2日間でした。物質材料研究機構で、河北町出身の超伝導材料の研究者の方の話が最も興味深かったです。今回の体験で学んだことや感じたことを勉強や2年時の課題研究に生かしていきたいです。(男子)
サイエンスツアーに行く前までは、将来の進路は絶対に県内がいいと固執していましたが、今回筑波に行って県外へでて研究をしてみるのも面白そうだと感じました。様々な施設をみることで、将来の進路選択の幅が広がったような気がします。(女子)
サイエンスツアーを通して、研究所で研究されている成果が私たちの生活と密接にかかわっていることを感じた。例えば、LEDライトは私たちの身近なものでよく見かけるが、普及するまでには、多くの人が研究にかかわっていると気づくことができた。今ある技術を当たり前だと思わずに多くの人が研究した努力の結晶だということを忘れずに生活していきたい。(女子)
山形県立 東桜学館 中学校・高等学校
平成31年2月7日に、山形大学にて山形大学との教育連携協定の締結にかかわる調印式が行われました。この協定締結は、高大接続を通して互いのカリキュラム等を有機的につなげ、探究的な学びの推進と教育の活性化を図り、次代を担う生徒・学生の資質向上に資することを目的としたものです。本校としては、これまでと同様に未来創造プロジェクト、蔵王自然観察実習、体験型実習講座等での大学の先生による指導助言を中核としながらも、新たに、高校生を対象とした特別講義の実施や今後の高大接続の在り方について検討を継続的に行っていくものです。また、この度の教育連携協定は、山形東高等学校、米沢興譲館高等学校についても高校ごとに同時に締結され、締結を行った高校間でも教育活動を行う上で連携協力しあうことなどを確認しました。
山形県立 東桜学館 中学校・高等学校
平成31年1月24日(木)~25日(金)、仙台市の日立システムズホール仙台を会場に、東北地区サイエンスコミュニティ研究校発表会が開催されました。本校からは、口頭発表1テーマ、ポスター発表2テーマの発表者2年次生9名、および見学希望1年次生12名の計21名の生徒が参加しました。
当日は、東北6県のSSH指定17校が一堂に会し、各校を代表とする研究発表を行いました。本校生徒も前日ギリギリまで準備した内容を、精一杯のプレゼンテーションを通して紹介し、活発な質疑応答が行われました。また、見学を希望した1年次生たちも他校の生徒さんから大変刺激を受けて、今後の自分たちの研究活動に意欲を燃やし始めたようです。発表を通して、研究の新たな課題や方向性を見出すことができた大変有意義な発表会でした。
山形県立 東桜学館 中学校・高等学校
平成31年1月12日(土)から17日(木)まで4泊6日で米国ハワイ州の火山の島、ハワイ島に海外研修に行ってきました。SSH事業の中で今回初めての取り組みであり、不安もありましたが、全員事故もなく、計画通り実施することができました。今回は高校2年生の希望者3人が参加、3か月前から何回も事前学習を重ね、火山・地質、植生、天文の3つの領域を中心に研修を実施しました。雄大なハワイ島の自然を目の当たりにし、普段の日常生活では決して体験することができない、貴重な経験をすることができ、知見を深めるとともに人間的にも成長して帰国しました。次年度はより多くの生徒に参加してほしいと思います。
研修の報告は、こちら を覧ください。(pdfで開きます)
山形県立 東桜学館 中学校・高等学校
12月28日(金)、東京大学伊藤謝恩ホールを会場に、Mono-Coto Innovation 2018〈FINALIST〉決勝大会へ、小山田琢朗さん(高2)が出場し、見事に第2位となり入賞しました。この大会の詳細は、下記ホームページよりご覧ください。
Mono-Coto Innovationホームページへ
校種を越えた全国の仲間と協働して、人が抱える様々な困りごとを発見し、それを解決するためのアイデアを考え、そのアイデアを実際に企業と協力してプロトタイプ作りに挑戦しました。地区大会を勝ち抜いた全国8チームが出場し、小山田さんは、最終発表チームでした。
残念ながら優勝は逃したものの、全国の舞台でプレゼンテーションを行い、認めたもらうことが出来た大変貴重な経験になりました。
山形県立 東桜学館 中学校・高等学校