SSH関連カテゴリー: R06年度

高校1年次 国際理解講演会を実施しました

7月22日に,日本電子(株)技術顧問,(公社)日本顕微鏡学会公益事業企画推進委員の広瀬治子 先生をお招きして,本校1年次を対象に国際理解講演会を実施しました。

広瀬治子 先生は,帝人(株)に入社された後,バイオミメティクス研究会運営委員や,日本顕微鏡学会 常務理事などを歴任され,2022年に帝人(株)を退職後,JEOL(日本電子株式会社)技術顧問として活躍されています。今回の講演では「我々の生活の中で知らないうちに利用している電子顕微鏡の話」というテーマで,日本が世界に誇る科学技術である電子顕微鏡について,電子顕微鏡で撮影した画像もお示しいただきながら,新たな技術がどのように生み出され,どのように社会を変えていくのか,お話しいただきました。

講演を聞いた生徒からは,以下のような感想が寄せられました。

「日本の顕微鏡のレベルが高いということは知っていたけれど,世界で一位の分野だったということは驚きだった。電子顕微鏡は,実験のときしか使われるイメージがなかったけれど,「はやぶさ」が持ち帰った石の観察など,たくさんのことに使われていることを知った。」

「講演を通して,電子顕微鏡は意外と身近であることを知りました。カラーコンタクトの危険性がわかるなど,電子顕微鏡は,生活に役立つ素晴らしい発明品だと知ることができました。」

「虫や動物のからだの構造などから人間の生活に役立つものを創造するバイオミメティクスについて少しは知っていたのですが,ここまで自分たちの身の回りの役に立っていたなんて驚きです。自分の知らない世界をもっと探してみたいと思いました。」

「研究者が生物の細かい特徴を調べ,それを新しいもの,面白いものに活かしているところに興味がわきました。ミナミハコフグが車のデザインに活かされているとは驚きであり,デザインは芸術系の人だけでなく,理系の研究者もかかわって作り上げられていると知ることができました。」

広瀬治子 先生,貴重な講演を本当にありがとうございました。

国際英語プレゼンテーション大会(START2024)開催!

7月19日(金)の午後、2021年から始まった,東北唯一の国際英語プレゼンテーション大会(START2024; ST(udy) A(ssembly)(of) R(esearch) (at) (T(ouohgakkan)の略)を山形県教育委員会の後援のもと、本校が主催し、オンラインと対面のハイブリッド形式で開催されました。

この大会は、高校在学中に行った個人やグループの探究・研究活動の内容を英語で発表(10分間)し、質疑(他のチームからと審査員から5分ずつ質問される)を行って審査され、研究テーマごとに分かれた5つの会場で1位と2位を表彰します。

今年の参加校は、ノーンヒンウィッタヤコム中等学校(タイ)、ナレースアン大学附属中等学校(タイ)、SMKAコタキナバル中等学校(マレーシア)、國立臺北科技大學附屬桃園農工高級中等學校(台湾)の4校が海外から、国内は兵庫県立豊岡高等学校、東海大学付属高輪台高等学校、東京都立多摩科学技術高等学校、新潟県立新発田高等学校、岩手県立一関第一高等学校、秋田県立横手高等学校、宮城県立古川黎明高等学校、福島県立安積高等学校、福島県立ふたば未来学園高等学校の他、県内から米沢興譲館高等学校、寒河江高等学校、致道館高等学校、村山産業高等学校が参加しました。審査員は各会場2名ずつで、東京農工大学、東北大学、宮城教育大学、山形大学、畿央大学の先生方が協力してくださりました。

入賞者は以下の通りです(英文の最後に掲載しています)。

On the afternoon of July 19th (Friday), our school hosted the only international English presentation competition in the Tohoku region for the third time, called START2024 (STudy Assembly of Research at Touohgakkan). The event was held in a hybrid format, with both online and in-person participation, under the sponsorship of the Yamagata Prefectural Board of Education.

This competition involved individual and group research projects conducted by high school students. Participants presented their findings in English for a duration of 10 minutes and underwent a question-and-answer session, with 5 minutes of questions from other teams and judges. The presentations were evaluated, and first and second place winners were recognized in each research theme category.

This year’s participating schools included four schools from overseas: Nonghinwittayakom School (Thailand), Naresuan University Demonstration Secondary School (Thailand), SMKA Kota Kinabalu Secondary School (Malaysia), and National Taipei University of Technology Affiliated Taoyuan Agricultural and Industrial Senior High School (Taiwan). The ones of domestic schools were Hyogo Prefectural Toyooka High School, Tokai University Attached High School Takanawa, Tokyo Metropolitan Tama Science and Technology High School, Niigata Prefectural Shibata High School, Iwate Prefectural Ichinoseki First High School, Akita Prefectural Yokote High School, Miyagi Prefectural Furukawa Reimei High School, Fukushima Prefectural Asaka High School, and Fukushima Prefectural Futaba Mirai Gakuen High School, as well as  Yamagata Prefectural Yonezawa Kojokan High School, Sagae High School, Chidokan High School, and Murayama Industrial High School High School.

The judging panels at each venue consisted of two members each, and they are from Tokyo University of Agriculture and Technology, Tohoku University, Miyagi University of Education, Yamagata University, and Kio University.

The winners are as follows:

  • ROOM 1
    1st Prize: “Can Killifish Learn Conditioned Reflexes from Other Individuals?”, SHIMAMOTO Takeshi [Toukai Univ.Takanawadai]
  • 2nd Prize: “Towards Self-Production of Glycyrrhiza uralensis in Japan : Hydoroponic and Soil Cultivation, and Estimation of Natural Growth Condition”, Ito Kenta,Abe Kota,Isagoda Haruki,Funaki Airi [Asaka High]
  • ROOM 2
    1st Prize: “Development of the PictoBlox program to warn the endpoint of Bromothymol blue in the chemical titration”, Vatanya Boonchiangma and Charinrat Mueanklang [Nonghinwittayakom]
    2nd Prize: “Superiorities of fibroin fiber produced from waste ‘kibiso'”, Toa Narita [Chidokan]
  • ROOM 3
    1st Prize: “Chemistry Experiments without Chemicals”, Ran Otaka [Tama Science & Technology]
    2nd Prize: “Campus Self-driving Car”, Yu-Jun, Jiang Yi-Huan, & Lai Jun-Quan, Zhong [Tao-Yuan Agricultural & Industrial Senior High]
  • ROOM 4
    1st Prize: “Let’s eat ONOMATOPEIA”, Uzuki Takahashi, [Furukawa Reimei]
    2nd Prize: “Unraveling The World Of Malay Language”, Muhammad Faris Iman bin Mohamed Feroz, Syaidatul Athirah binti Shukor, Nur Shasha Aqiilah binti Jupry, Ahmad Khairil Danish bin Mohd Aizam [SMK Agama Kota Kinabalu]
  • ROOM 5
    1st Prize: “The Effects of Ethics Classes Using Context Shifting”, TAKADA Mio & TAKAHARA Hiroto, [Touohgakkan]
    2nd Prize: ”Okitama Gender Innovation ~For All Generations~”, Aoki Mayuko & Suzaki Shiho [Kojokan]

Room1 (Touohgakkan)

Room1 (Naresuan Univ. from Thailand)

Room 2 (with students & teachers from Nonghinwittayakom)

Room 4

Room5 Naresan Univ.

Closing Ceremony

令和6年度 東桜サイエンスラボを実施します!

R6 サイエンスラボへお申込みを行った皆様へ

本年度のサイエンスラボへのお申込みありがとうございました。只今、すべてのコースで定員を充足しましたので、募集を停止しました。なお、コースの変更をメールにてお願いいたしました一部の皆様を除き、希望のコースでの参加登録となりましたので、ご承知おきください。

今後、フォームで申し込みをされた皆様にご連絡がありますので、募集要項に記載のメールアドレスからの受信ができるようにしておいてください。

ラボ当日(8/2)は、募集要項のとおり実施する予定です。(9:15~9:25 受付  9:30~11:30 各講座実施)

ご参加の皆様は、生徒昇降口よりお入りいただき、直進後、階段を上り2Fへ。左折すると各実験室がございます。

・コース1 Touoh Sci. 場所:物理地学室

・コース2  身近なもので発電しよう 場所:化学室

・コース3 楽しむ科学 ~信号反応・ペットボトルロケット・入浴剤~ 場所:理科室A 理科室B

・コース4  DNAを見てみよう 場所:生物室

冷房は入っておりますが、大変暑いので飲み物をご持参ください。


毎年恒例の小学生及びその保護者、中学生を対象とした東桜サイエンスラボを、今年も実施します!

実施要項は以下の通りですので、ご覧ください。

本年度も参加者を各コース先着10組20名を定員とします。

募集期間は7月3日(水)10:00から行いますので、サイエンスラボの実施要項をよくお読みいただき、ご応募ください。なお、申し込みの際は、本校HPへのアクセスが集中するとサーバーがダウンする可能性があります。そのため、事前に申し込みフォームにアクセスしURLをブックマークとして保存していただく等、本校HPを介さずにお申し込みいただくことにご協力ください。多数のご参加をお待ちしております。

【サイエンスラボの案内】

R6 サイエンスラボ募集要項

 

【サイエンスラボ申し込みはこちらに!】

R6サイエンスラボ申込フォーム

R06 前期第6回 校内東京大学金曜講座開催

7月5日(金),前期第6回目となる東京大学主催「高校生と大学生のための金曜特別講座」の校内視聴を実施しました。今回は「コーダの悩みから社会の“不便”がみえてくる ~障害とは何だろう~」と題し,中津 真美先生(東京大学 多様性包摂共創センター・特任助教)がご講演くださいました。中学1年生が3名,2年生が7名,3年生が1名,高校1年次19名が参加し,大講義室で視聴しました。

「私は心理学やカウンセリング、セラピストにすごく興味があり,今回の講座に参加しました。コーダ(Children of Deaf Parent)は映画の役などで知っていましたが,細かくは知らず,ただ聴覚障害のある親を持っている子供とだけ思っていました。講話を聞いてコーダの苦しさや辛さがものすごく伝わってきました。例えば,親であるのに会話ができなかったり,親を仕方なく助けていたりすることがあることを知り,とてもつらくなりました。(高校1年生徒)」や「幼少期から親を助けてきたコーダの人たちは,大きな生きづらさを抱えているのだろうと思った(中学2年生徒)」など,障害の社会モデルの実現に向け考えるきっかけになったようです。

今回の講座は前期の最終回となりました。後期は9月下旬か10月上旬に再開されますので,奮ってご参加ください。

R06 前期第5回 校内東京大学金曜講座開催

6月21日(金),前期第5回目となる東京大学主催「高校生と大学生のための金曜特別講座」の校内視聴を実施しました。今回は「ウイルスと人とワクチンと ─コロナ・麻疹など─」と題し,竹田 誠先生(東京大学 医学部 医学科・教授)がご講演くださいました。中学1年生が10名,2年生が4名,3年生が3名,高校1年次56名が参加し,大講義室で視聴しました。

「ウイルスについては知らないことが多く,ヒトに感染る仕組み,ウイルス自体についても,今日の講座を聴き,知ることができました。今回は主に『麻疹』『新型コロナウイルス』についてお話を聞きましたが,麻疹についてはどういう危険性があるのか,自分の中で講義を受ける前後で大きな差が生まれました。(高校1年生徒)」や「今回の講義で生物に対するウイルスの関係性や,これまでのウイルスの歴史に対して興味が湧いた。(中学2年生徒)」など,ウイルスとは何か,そしてワクチンの重要性や感染症の予防・対策について深く考える時間になったようです。

次回の校内視聴講座は,7月5日の「コーダの悩みから社会の“不便”がみえてくる ~障害とは何だろう~」で,前期の最終回となります。

令和6年度 SS総合探究Ⅱ 「研究計画書」発表会を実施しました!

5月28日(火)の6・7校時、高校2年次SS総合探究Ⅱにおける「研究計画書」発表会を実施しました。この会では、研究分野ごとに分かれた各教室で、事前に作成した「研究計画書」に基づいて、班ごと発表・質疑応答を行います。この会を経て、これから行う課題研究に具体性を持たせることが狙いの一つです。また、今年度は、教育実習期間ということもあり、5名の実習生も参加していただき、後輩たちと活発な意見交換ができました。さらに、山形大学准教授 官宏先生(旧本校校長)、山形大学理学部4年生と大学院生にも、ご参加していただき、様々な指導・助言をいただきました。生徒の皆さんは、今後に向けて具体的な研究を進める上で、大きな収穫となったようでした。

R06 前期第4回 校内東京大学金曜講座開催

5月31日(金),前期第4回目となる東京大学主催「高校生と大学生のための金曜特別講座」の校内視聴を実施しました。今回は「言語政策について考える ─ことばの規範の構築と変容─」と題し,本林 響子先生(東京大学 教養学部 教養学科・准教授)がご講演くださいました。中学1年生が6名,2年生が3名,3年生が3名,高校1年次34名が参加し,大講義室で視聴しました。

「私たちの生活と切っても切り離せない”言語”という分野を,今までの自分にはなかった新たな視点から考えることができました。授業で習うのは訓令式なのに,実際求められるものはヘボン式であるという”政策”と”現状”のズレが今後どのように修正され,整備されるのか気になります。(高校1年生徒)」や「ローマ字の表記について,私は文脈から判断して読むことは可能ではないかと思ったが,言語を普及させる際には,何年もその言語を使用している人だけではなく,一から習得する人のことを考えて使用の際の安定感について考えることが重要なのかもしれないと考えた。(高校一年生徒)」など,言語政策という観点からことばの使用について考える時間になったようです。

次回の校内視聴講座は,6月21日の「ウイルスと人とワクチンと ─コロナ・麻疹など─」です。

R06 前期第3回 校内東京大学金曜講座開催

前期第3回校内視聴を5月10日(金)に実施しました。今回は「『水道』を科学する ─多様な水供給から考える持続可能な未来─」と題し,小熊久美子先生(東京大学工学部 都市工学科・教授)がご講演くださいました。中学1年生が5名,2年生が4名,3年生が3名,高校1年次13名,2年次が1名参加し,大講義室で視聴しました。

「途上国が水にアクセスしにくく,日本はしやすいということは知っていたが,日本の水道普及率の98%に対する残り2%は?という視点はなかった。約210万人もいるとなると,紫外線消毒や紫外発光ダイオードなどを多くの地方ではやめに導入すべきだと思う(中学2年生徒)」や,「50万越えの人々が水関連で亡くなっていること,また日本でも行政サービスの遅れに直面していることなど,もっと大きな問題として取り上げられるべきだな,と思いました。もっと水について詳しく知り,新しい研究が発展させられればいいなと思いました。(高校1年生徒)」など,SDG6が掲げる「だれひとり取り残さない水供給」をどう実現するのかについて考える時間になったようです。

次回の講座は,5月31日の「言語政策について考える ─ことばの規範の構築と変容─」です。

 

令和6年度 福島県立ふたば未来学園高等学校 未来創造探究生徒研究発表会に参加してきました!

5月2日(木)に福島県立ふたば未来学園高等学校にて、「未来創造探究生徒研究発表会」が行われました。この発表会へ本校からは3年次6名が以下の2つのテーマで発表し、ふたば未来学園高校や他校から発表に来た高校生と交流を行いました。

「身近な熱を電気に。~夢の発電を目指して~」:全国高校総合文化祭参加予定

「ダイコンの皮のCNFを用いたポリ袋の代替品の作成」:全国SSH生徒研究発表会参加予定

生徒の皆さんは、この発表会においても、堂々と発表を行っており的確に質問にも答え、発表スキルを大きく向上させている様子が観察されました。

また、ふたば未来学園高校の校舎の様子にも驚き、「メインアリーナの他に、バドミントンコートが10面あるバドミントン専用体育館やカフェテリア等があり、校舎の雰囲気が大学みたい!」などと、各種施設の充実ぶりに大きな関心を示していました。

【生徒の感想】

今回のふたば未来学園の研究発表を通して、これまで感じたことのないような新鮮さを感じた。ふたば未来学園の生徒の発表は、福島の水生昆虫の種類の研究や、地方にアイドルやバンドなどのライブが都会より少ないことの理由を探る研究、東日本大震災を語り継ぐ語り手についての研究など、研究や調査の対象分野が多種多様で、研究=理系分野という自分が気づかぬうちに持ってしまっていた固定概念を大きく変えてくれた。また、研究の内容には震災による影響を考慮したり、震災を関連させて行ったりしている物も多くあり、山形に住んでいてはわからなかった福島に住む人たちの震災への切実な思いが伝わった。今後は、今回の発表で気づいた私たちの研究に対する自分の理解の曖昧な点を解消し、ふたば未来学園の生徒の方の発表を通して気づいたことを今後の探究活動に活かしていきたい。

 

R06 前期第2回 校内東京大学金曜講座開催

前期第2回校内視聴を4月26日(金)に実施しました。今回は「源氏物語の作者を知っていますか」と題し,高木 和子先生(東京大学 文学部 人文学科・教授)がご講演くださいました。中学1年生が5名,2年生が4名,3年生が5名,高校1年次40名,2年次が11名参加し,大講義室で視聴しました。

「源氏物語をただ読むだけではなく,他の物語と比べて読むことで,紫式部が従来のパターンをどのようにしてアレンジしたのか,どのようにしてパロディにしたのか,何を考えて物語にしたのか,などより深いところまで源氏物語を味わうことができました(中学2年生徒)」や,「紫式部が自分の家族や境遇を作品に落とし込んだ部分も、今回の講座のことを思い出して読んでみたいと思った。これからの古文の学習が楽しみ(高校1年生徒)」など,『源氏物語』や紫式部への理解を深め,古典の学習に対する意欲を高めることもできた時間になったようです。

次回の講座は,5月10日の『「水道」を科学する―多様な水供給から考える持続可能な未来―」です。