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高校1年次蔵王自然観察実習

SSH事業の一環として、7月3日(水)に蔵王自然観察実習を行いました。高校1年次生全員が、蔵王をフィールドに火山と植物分野の研修を行いました。

梅雨の真っただ中、天候が心配されましたが、雨も降らず、ガスもかからず良い条件で観察実習を行うことができました。

二手に分かれて、刈田岳山頂での火山観察と御田ノ神湿原の高山植物の観察を交互に行いました。

・高山植物の観察
御田ノ神湿原を散策し、高山植物の観察実習を行いました。6グループに分かれて、それぞれインストラクターの方々から丁寧に解説していただきました。説明を受けるとと同時に高山植物のスケッチも行いました。今まさに咲いているもの、咲き終わったものなど、様々な種類の高山植物を興味を持って観察できました。また、外来種が入り込んでいる等の問題についても教えていただき、環境を維持する大変さを改めて考えさせられました。

 

 

・刈田岳山頂での火山観察
刈田岳山頂付近で火山の観察を行いました。駐車場脇の溶岩露頭の観察、馬の背での火山灰観察、刈田山頂での溶岩餅の観察、御釜のスケッチを行いました。山形大学の大学院の学生さん3人に、専門的な見地から解説していただきました。実際に現場に行き、実物に接し、机上で学ぶことができない貴重な体験となりました。

 

 

研修に御協力いただきました蔵王山岳インストラクター協会の方、山形大学大学院の学生さん、事前学習で講義を行っていただいた山形大学の伴先生、本校生徒の実習のために、ご尽力いただきましてありがとうございました、この場をお借りして感謝申し上げます。

高校1年次蔵王自然観察実習の事前学習

   1年次生を対象に学校設定科目「SS総合探究I」の中で、7月3日(水)に蔵王自然観察実習が行われます。その観察実習に向けて、5月28日(火)、6月11日(火)に、火山、地質、樹氷、植生、高山植物についての事前学習を行いました。
また、6月18日(火)には、山形大学理学部理学科 教授 伴雅雄先生による「蔵王の火山、地質、地形・蔵王の自然観察のポイント」のご講義をいただきました。

講義では
・蔵王山の地形について
・蔵王山の成り立ち(地形の形成・火山活動史)
馬の背カルデラや火口の変遷、噴火の歴史等
・御嶽山や草津白根山との類似性
・自然観察実習のポイント
22万年前の溶岩(刈田山頂駐車場脇の露頭)
1895年の噴出物、それ以前のマグマ噴火の火山灰(馬の背)
1895年の噴火の火山弾(馬の背)
蔵王山の地形観察(刈田岳山頂より)
3万年前の火砕流堆積物と溶岩餅(刈田山頂)
などをお話しいただきました。慶長20年(1615年)の噴火では、伊達宗高(伊達政宗の七男)が、命がけで登頂し、鎮火を祈願したという興味深いトピックスもお話しいただきました。

事前学習で観察における大切な視点を学び、7月3日(水)の実習では、深みのある観察を行ってきます。

高校1年次 「蔵王自然観察実習 クラス・全体 ポスター発表会」を実施しました

去る7月4日(水)に、1年次生全員で蔵王にて自然観察実習を行いました。そのときのまとめとしてポスターを作成し、9月11日(火)に各クラスと1年次全体でポスター発表会を実施しました。各クラスでは優秀な発表を行った班を投票で1つ選び、さらに各クラスから選ばれた6つの班が1年次全体での発表会に臨み、全員の投票により最優秀発表班を決め、表彰式も行いました。

この実習の実施前には、本校教員による植生分野と山形大学理学部伴雅雄教授による蔵王火山に関する事前講習も行われ、当日は大変充実した実習ができました。この実習の中で観察してきた内容を踏まえ各班でリサーチクエスチョンを設定し、イラストや写真などを用いて工夫を凝らしてポスターを作成し発表を行いました。同じテーマでも様々な視点から発表されていた点についても、今後の課題研究を行う上でのよい刺激になったと思います。

1年次生全員で蔵王自然観察実習を行いました

SSH事業の一環として、7月4日(水)に蔵王自然観察実習を行いました。1年次生全員が、蔵王をフィールドに火山と植物分野の研修を行いました。

雨が心配される中、バスで蔵王に上っていくと、はっきりとお釜を見ることができました。雲海の上に朝日連峰や飯豊連峰が見え、自然の雄大さを感じることができました。ただし、次第に風が強まってくる予報だったので、当初の計画より若干くりあげて活動を行いました。

1・2・3組は午前中は標高1550m付近の御田ノ神湿原で高山植物の観察と、火山灰の採取を行いました。湿原の観察実習では、インストラクターの方がクラスに2人ずつついて、丁寧に解説していただき、木道の途中で高山植物のスケッチを行いました。火山灰の採取では、山形大学理学部の伴雅雄教授より採取の仕方の説明を受けながら、火山灰が露出している崖に移動し、ねじり鎌を持って初めて採取を体験しました。蔵王には大きく白い火山灰と黒い火山灰があることが分かりました。これは学校に戻ってきてから洗い出しをして中に含まれる鉱物等の粒子を確認します。

4・5・6組は午前中は刈田岳まで行き、お釜のスケッチ、馬の背での火山灰の観察、1758mの刈田山頂で溶岩餅の観察を行いました。馬の背では山形大学理学部の学生さん2人がTAとして参加し、蔵王火山について解説していただきました。実際現地にいって、説明を受けながら観察ができることは、本当にすばらしいことです。学校では学ぶことができない貴重な体験となりました。

午後は、1・2・3組がお釜、4・5・6組が御田ノ神に移動し、実習を行いました。研修に御協力いただきました蔵王山岳インストラクター協会の方、山形大学の伴先生、TAの学生さん、本校生徒の実習のために、ご尽力いただきましてありがとうございました、この場をお借りして感謝申し上げます。

<生徒の感想>

ガイダンスで勉強したことが、自然に現れていて非常に面白いと感じました。特にチングルマやお花畑がきれいに並んでいて楽しかったです。知識を身につけて実習することは、身につけないのとでは全然違うと感じました。地層のサンプリングの時の説明で、何千年も前の噴火や特徴も地層から明らかになるのはとても魅力的だと思いました。(2組男子)

溶岩餅を見ると、マグマがどこまで飛んできたのか分かりました。自然とは過去に起きたことが目に見える形で残っているので、良い体験ができたと思います。地層も触ることで違いを感じることができ、理解が深まりました。(5組女子)

伴先生から説明を受けます          ねじり鎌で火山灰を採取します

 

火山灰採取から湿原に移動します       チングルマの群生をスケッチします

 

 

 

 

 

 

 

馬の背で説明を受けます           お釜をスケッチします

 

 

 

 

 

 

蔵王自然観察実習が行われました。

 

(1)蔵王について調べる(6月6‣8日)

総合的な学習の時間と情報の科学の時間を活用して、蔵王について調べました。内容は、自然観察に限定しないで、「蔵王」をキーワードに連想した事柄をもとに、資料の収集・整理を体験しました。

 

 

 

 

 

 

(2)自然観察実習(6月9日)

ⅰ)山形市野草園

西蔵王高原に広がる26.5haの敷地に、約1,000種のさまざまな植物があります。園内には、自然学習センターがあり、野草園のガイドや自然に関する情報提供を行っています。世界に一つだけのサクラ「ミヤマカスミザクラ」を見ることができます。

ホオノキの花を嗅いで「フレグランス」の香と表現!   ミズバショウについて説明を受ける

 

ⅱ)御田ノ神湿原

坊平高原から刈田岳へのエコーラインの道沿いに1500mから1600mの高さにひろがる、御田ノ神の湿原があります。ここでは、山岳インストラクターの方から湿地の特性やトンビやトウホクサンショウウオについても説明を受けました。コバイケイソウは3年に一度花をつけるので、来年になるとの説明を受け、半分ガッカリし、半分納得していました。また、チングルマやミツバオウレンに出会うことができました。

インストラクターから説明を受ける        ヒナザクラやワタスゲをスケッチ

(アオモリトドマツを背景にみる)

ⅲ)御釜の地形観察

高山特有の厳しい気象条件のために高木が育たず、低木林やいろいろな高山植物が群がり咲く「お花畑」がそこここに展開する高山特有の景観を見ることができました。ここではミネズオウやイワカガミを観察できましたが、蔵王を代表的するコマクサ(駒草)は例年よりも開花時期が遅く、比較的早く開花する刈田岳付近でも観察することはできませんでした。

(3)まとめの時間(6月13日6,7校時)

実習地にてスケッチした素描に、写真や資料をもとに報告書を仕上げ、グループ内で報告し合いました。

主な感想

4組 Mさん

初めて蔵王に登ってみてたくさんの自然に触れることができた。場所によって皆異なる植物が咲いていたので、とても観察していて面白かった。聞いたことの無い植物もたくさんあった。また、御釜を見てみてとても感動したし、山などの自然はとても美しく関心が湧いた。

5組 Eさん

御釜周辺の地層が黒や茶の層になっていた。思っていたよりもたくさんの高山植物が見られた。今まで見たことのないような、きれいな花がたくさんあった。伊達正宗の石碑に雷が落ちたことなど、初めて知った。ミネズオウという植物の花が小さくてとてもかわいらしかった。