7月23日(火)に高校1年次国際理解講演会が実施されました。講師に国立極地研究所 田邊優貴子氏をお迎えし、「誰も知らない世界への知的好奇心と挑戦」の演題でご講演いただきました。
南極の湖沼の生態系など研究分野や、南極地域観測隊での実体験、南極・北極の動物などのお話をしていただきました。南極の湖の生態系が南極の岸からの距離で変わっていき、進化の様子を垣間見ることができる小宇宙であるなど、興味深いお話でした。
また、研究者になるまでの歩み、研究者としてやっていくための価値観などは、これから進路を決めていく生徒には心に届くお話でした。
[生徒の感想から]
今回の講義を聞いて、地球温暖化について、私たちの生命について考えさせられた。田邊さんが1年半を南極で過ごしたと聞き信じられないと思った。一緒に暮らしている人は外国人でたいてい英語で話しているとおっしゃっていたので、英語は大事なんだなと感じた。私が想像していた南極は氷だけの世界だったが、実際は陸もあるし、動物もたくさんいることに驚いた。特にコウテイペンギンが印象に残っていて、生態系が面白かった。北極にも、たくさんの植物や動物がいて、過酷な環境でも強く生きていてすごいと感じた。田邊さんがアザラシのミイラの写真を見せてくれて、命について話してくれたとき、自分の命について、私も考えてみた。アザラシの肉が分解されて、コケが生まれたみたいに、私も私の命を次の命につなげられる存在になりたいと強く思った。また、田邊さんは地球温暖化についてもおっしゃっていた。氷の解けるスピードやその解けた氷がもう戻ることがないと考えると、とても危機感を抱いた。地球温暖化の影響で失われてしまうものがたくさんあることを知った。
南極についての講演は、今までの「南極」というイメージを塗り替え、「さみしい場所」から「豊かな場所」、「壮大な場所」というイメージに代わりました。豊かといっても自然が多いだとかそういうものではなく、様々な可能性を秘め、知的好奇心に刺激を与えるという意味で豊かだと感じました。大陸に陸上生物がほぼいないと限りなく純粋な地球という感じがして、好奇心がくすぐられました。また、湖の性質や生態系がそれぞれ異なることを「星のようなもの」と表現していることにロマンを感じました。1つの大陸で、これほどまでに可能性や神秘的なものに触れることができる田邊先生をうらやましく思いました。先生自身も学生時代から海外に行くことが多かったりと、チャレンジ精神旺盛な方だと思いました。自然を体で感じることで、講演の中心でもあった「生命と死」にまで発展することができることに驚きました。私も先生のような好奇心と探究心をもって、物事に接していけたらいいと思いました。
今回の講演は様々な視点から考えさせられることが多かった。北極・南極に合計15回ほど行くことは中々経験できることでもなく、その方の話を聞けてとても良かった。北極や南極は協力しなければ生きられないと思う。そう思って南極や北極での世界各国の人々との交流は凄く大切なことだし、中々できないことだと思った。そう考えるとコミュニケーション力はこういう部分でも必要になってくると感じた。また、今回の講師の田邊さんの話を聞いて最も思ったのが様々な景色を見ることの大切さだ。何かをやりたいという思いは何かきっかけにして始まるものだと思っている。そのきっかけは沢山あった方がもちろん良いだろう(個人的にはそう思っている)。今、この東桜学館で学んでいることは、その基礎というか、そのためのことを学んでいるのかと私は改めて感じた。今の私にはやりたいことが明確に見えていない。それを深く深く考えてみると基礎がしっかりしていないからではないかとふと思った。今できる勉強を精一杯やって今の私には見えない景色をいっぱい見ればいいと思う。その経験は絶対に何かしら自分の身のためになっていると思うから。また、その体験の際には、今日講話でおっしゃっていた「実際に見て触って考えて」を繰り返すことを大事にしていきたいと感じた。私が今やりたいことが明確に決まっていないことは「世の中に役立つこと」という概念にとらわれていることもあるのかもしれない。だからこそ自分のやりたいことに素直になるということも大切になると思った。そして、英語、コミュニケーション能力は今が一番つけられる力だと思うので今を大切にしていきたい。周りと比べず、急がず、自分のペースで様々なことに好奇心、探究心をもって生活していきたい。