SS健康科学[SS保健]【保健講話②】

演題  『 健康寿命の延伸 』  ~ 運動の担う役割に着目して ~

講師  山形県立保健医療大学 保健医療学部 理学療法学科 准教授 高橋 俊章 氏

◆ 日時  令和元年 9月 4日(水)  午後 0時30分 ~ 午後 2時00分
◆ 会場  山形県立東桜学館中学校・高等学校  中央棟 大講義室
◆ 対象  高等学校1年次生
◆ 概要

平均寿命で世界一位(2016年:WHO:男女総合)の我国であるが、健康寿命との格差には、まだまだ課題が山積している現状にある。そのなかで、加齢に伴う老年症候群はある程度はやむをえないとしても、身体機能・精神機能の維持は十分可能であり、生活不活発病とも称される廃用症候群をいかに回避していくか、介護予防や認知症予防のありかたが問われてくる。本日講話では、運動の担う役割に着目して、老若男女の誰にでも簡単に実践できる軽運動等(腰痛予防・膝痛予防・等々)の実技演習も取り入れながら御教示頂いた。また、我国の健康水準を保持増進していくための施策:健康日本21や、今後ますます重視されていく介護に関係する施策:地域包括ケアシステム、等々についても御教示頂いた。

通常授業を担当する高等学校教員にとっても、講師の専門的な御識見から授業内容を補完して頂き、とても有意義な研修にすることができた。

 

 

 

 

 

◆ 生徒感想

◇ 本日の講話では健康寿命を伸ばすことで生活の質が変わり、幸福度も大きく変わってくることが分かりました。私は長生き(平均寿命が長い)出来れば幸せだと以前は思っていましたが、ただ長生きすればいいだけではなく、人生における健康寿命が大切だということを知り、考え方が変わりました。講話の中で日本は健康寿命と平均寿命の差が大きいのに対して、他国は健康寿命と平均寿命の差が小さいということをお聞きして、日本は平均寿命が他国よりも高い国ではありますが、健康寿命が追いついていない国であり、健康寿命がより追いつけば日本はもっと豊かな国になるのではないかと思い、どうにか出来ないのだろうかと思いました。その健康寿命を伸ばす対策として介護予防が必要であることを学びました。その中でも特に老年症候群に早めに気づき、予防すること、周りの人と関わり1人で閉じこまらないこと、年だからといってあきらめないことが大切だということを学びました。また介護予防の具体例としてかかと落とし運動や腰痛予防のためのいすに座ってできる運動、ひざの痛みを予防する運動など実践をしながら学びました。少しの簡単な運動の積み重ねで大きな介護予防になることが分かりました。また認知症も運動で予防できることから、運動は健康にとってやはり大切であることを改めて感じました。今回の講話では健康寿命の大切さを知り、健康寿命を伸ばすことができるような生活の質が高められるような積み重ねを少しずつしていきたいと思いました。

[1組女子:KS]

◇ 日本の平均寿命が伸びていることは知っていたしそれはとても良いことだと思っていました。しかし、健康寿命との差は男性が約 9年、女性が約12年ととても長く、健康寿命を過ぎた後はずっと病院にいなければいけなかったり、寝たきりになってしまったりその後の人生が退屈になってしまいそうです。健康寿命が長ければ長いほど絶対楽しい人生を過ごすことができると思います。また、約10年も介護をしなければいけない家族にも、いろいろな負担がかかってしまいます。だから、高橋先生がおっしゃっていた健康寿命の延伸はとても大切だということが分かりました。それには適度な運動、食事、睡眠が必要です。運動をしないと骨がもろくなったり筋力が低下してしまったりしてけがをしやすくなります。家でできるストレッチや軽い運動がたくさんあって(簡単だし)祖母や両親に教えてあげようと思いました。運動は認知症予防にもなるようなので、すごく大切なんだと改めて分かりました。健康寿命がもっと伸びれば、労働力の不足の改善にもつながりそうだなと思いました。老後の生きがいのある生活を過ごすには、今どう過ごすかが関係してきそうなので、まだ早いと思わず実践していきたいと思います。

[2組女子:KW]

◇ 「50年後になったら皆さんも考えて下さいね」と言われました。正直自信ないです。自分は老後、長生きしたいとかは考えていません。身内が強く望むならなきにしもありませんが、自分の体が若い内に臓器移植でもなんでもしてくださいとずっと思っています。ただ自分が老後の生活の知識不足というのもあります。ただ自分の健康寿命が途絶えて苦しむ日々が怖いというのもあります。50年後どうなってるか分からないので、ひとまず保留しておきます。自分も地域包括ケアシステムや社会人生活の中で高齢者を支えていくのでしょうけど、負担ばかり大きく高齢者も労働者も恵まれない関係はいつか断ち切って、新しい策でも出れば良いのですが、例えば介護する人が暮らしやすいように生活補助手当をするとかして。高齢化ばかり嘆いてられないので、ケアシステムの他にもどんどん実施していけたらいいなと思います。労働者でもない自分がこんなことを言ってもそんな簡単な問題ではないのは分かっています。それでも町全体で支えるようなそんな物理的な策も険しくなるのは時間の問題です。経済、技術、団体活動など、あらゆる面から高齢者たちを支えるのは私たちの世代です。たとえ自分が将来年金もらえなくても、目の前の人を助ける覚悟を身につけます。

[3組男子:ST]

◇ 今日の講話を通して自分自身の“寿命”に対する考え方、見方の観点が大きく変わっていきました。テレビなどで「長生きの理由は~~です!!」などの広告を頻繁に目にします。そこで今、立ち返ってみると、平均寿命が長くても日常生活に制限のある状態で長く生きるのは質の良い老後とは認められないなぁと思う所存です。そこで今日の講話の中で健康寿命を増進させるための運動について高橋先生が触れていらっしゃいました。確かに心身機能が増加すれば、老後の活動の幅(趣味、散歩、地域間ふれあい)などが広がりより良い生活が送れるというものでした。自分が将来高齢者になるときは必ず(事故、病気等で急逝しなければ)きます。そんな時は講話の中であった運動や、身近にいる理学療法士の皆さんの御手をお借りして素敵な人生を送れるような自分自身であろうと思いました。

[4組男子:RS]