11月15日金曜日の17時半より、高校1年次生の62名が参加して東大金曜講座を視聴しました。今回は東京大学教養学部 教養学科・准教授の郷原 佳以先生が「『作者の死』の歴史性」と題して講義をしてくださいました。フランスの文学者ロラン・バルトが、文学作品の正当な読み方を作者の意図に求めようとする傾向を戒めるために書いた論文「作者の死」がもたらしたテクスト主義について学ぶことができました。
【生徒の感想からの抜粋(敬称は男女共にさん)】
作者の抱えていた事情や意図していることを踏まえて読むことは至極当然だと思っていたため、テクスト論のような考え方は非常に新鮮で衝撃を受けた。また、本来読書における創造者が読者であるならば、私たちが普段している本の読み方は、作者が創造していることからさらに上乗せして創造するのであって、それは確かに真の創造とは言えないかもしれないと感じた。(高校1年次A. S.さん)
「作者の死」についての講話を聴いて大切だと感じたのが、常識を疑うということである。バルトの著した「作者の死」においての命題である「文学作品は作者の来歴や意図、社会的背景といった外存的要因に説明されるべきではない」はその通りだと思った。読書の仕方を今後もう少し工夫したいと思う。(高校1年次A.Oさん)