5月12日(金)に東京大学「高校生と大学生のための金曜特別講座」の前期第3回校内視聴を実施しました。今回は「『不思議』なる災害認識 ──鴨長明『方丈記』を読む──」と題し,木下華子先生(東京大学 文学部 人文学科・准教授)がご講演くださいました。中学1年生3名,2年生3名,高校1年次44名が大講義室で視聴しました。「長明の因果関係を結びつけない意図やさりげない言葉で地獄絵を人々に連想させる力,災害から約30年後であっても明確な表現の素晴らしさ,その時代でもここまでできる長明の能力の高さに驚いた。東北の人間として,東日本大震災が地震という言葉を聞くと思いつくが,当時3歳だった私たちの世代が今後伝えられることは何かと考えさせられた。過去に生きる,固執する,ということではなく,また,忘れるということでもなく,過去に学べるという考えを大切にしていきたい(高校1年S.A.さん)」のように,研究の面白さだけでなく,多くのことを考える機会となった講演でした。次回の本校での視聴は5月26日の「深層学習の原理に迫る ──数学の挑戦──」となります。