沖縄・西表フィールドワークに行ってきました

R5年沖縄・西表フィールドワーク

7月29日㈯から8月8日㈫までR5年沖縄・西表フィールドワークに行ってきました。当初の計画では8月2日㈬までの予定でしたが、台風6号が予想外の動きになり、8月2日から6日まで沖縄島から八重山諸島にかけて停滞したため、飛行機が飛ばず10泊11日になってしまいました。参加生徒26名は長旅にもかかわらず無事に元気で戻ってきました。以下に概要を報告します。

日程と概要

7月29日㈯☀山形空港から石垣島への移動日。

山形空港、羽田空港、石垣空港を経てホテルに宿泊。羽田空港に着く途中、雲の上に富士山が見えました。

7月30日㈰☀石垣島から西表島へ移動する。

道端のセマルハコガメ

石垣島で「石垣島鍾乳洞」を見て、高速船で西表島にわたりました。北部の浦内川を船で遡りました。船の上で昼食を食べました。干潮だったのでリュウキュウイノシシが見えました。途中から歩いて「マリュドウの滝・カンピレー滝」まで行きました。道で天然記念物のヤエヤマセマルハコガメや巨大なオオジョロウグモや虹色の尾をもつイシガキトカゲ、サキシマキノボリトカゲなどを全員が観察できました。植物はマングローブを構成する木々、木性シダやアダン、葉の棘が痛いタコノキ、ヤエヤマオオタニワタリなど熱帯の植物が密集して生育していました。

満潮時の浦内川

帰りは満潮近くになり川幅が広く入り江のようになった浦内川を戻りました。下船後かつて掘られていた炭鉱の跡「ウタラ炭鉱跡」を見に行きました。閉山から70年以上経っているため、すっかり密林の一部になっていました。船でしか行くことができない船浮の民宿に泊まりました。みんなで一緒に初めて食事をして懇親を深めました。食後に宿の主人池田さんから素晴らしい話をいただきました。

 

7月31日㈪☀午後☁☔、西表島で研修後石垣島に移動する。

船浦湾のニッパヤシ群落で琉球大学熱帯生物圏研究センター渡辺先生の説明を聞く

船浦湾のマングローブ林を進む

早朝からリュウキュウアカショウビンと各種のカエルの声がうるさいほどでした。6時過ぎから宿の近くの「イダの浜」まで行き日の出を見ました。ゴミ一つない美しい砂浜で、数えられないほどのヤドカリやカニ穴を見ました。午前中、船浦に移動し、琉球大学西表研究施設の渡辺助教授の案内で施設の見学をした後、「船浦湾のマングローブ林」を歩いてマングローブ林を構成する植物や動物を観察しました。途中から足元が泥主体になり、泥の川をお尻までつかりながら移動する初めての経験をしました。大きな巻貝キバウミニナや巨大なシジミ貝シレナシジミなどが多数いて、キバウミニナがヒルギの葉を食べる様子を見て驚きました。日本のマングローブ林 を構成する7種の植物の内6種を見ることができました。干潮で帰りは砂原の船浦湾を歩いて戻りました。午後は「星砂の浜」で星砂を採集しました。砂と思ったものがすべて底生有孔虫でした。時々台風の外側の雲がかかり驟雨になりました。最終の船で石垣島にわたりました。

星砂の浜で

8月1日㈪☁時々☔夕方近くから暴風雨、スーパーマーケットで食料を購入する。

台風6号が先島諸島に明日、明後日接近するということで石垣島の南部をバスでめぐり、スーパーマーケットで2日分の食料を購入しました。初めに「バンナ展望台」に行き石垣島から西表島、竹富島などの景色を眺めました。残念ながら、台風の接近で雲が多く風も強くエメラルドグリーンの周辺の礁湖が良く見えませんでした。次に「名蔵ヤイマ村」に行きました。時々降雨がある中、リスザルやケージの中のカンムリワシなども見ました。昼前に石垣市南部で台風に備えて食料を購入しました。食料を購入しに来た人達で賑わっていました。午後は「みねや工房」で伝統工芸の織物を見てホテルに戻りました。15時以降は激しい風雨になり、道路にほとんど人がいなくなりました。我々もホテルで待機しました。

8月2日㈬暴風雨☔、昨晩から暴風雨が続き終日ホテルで待機しました。

ホテルの掲示

8月3日㈭暴風雨☔、終日ホテルで待機しました。夕方から隣の本館に行くことができるようになりました。

 

8月4日㈮風雨が収まり☀☁、石垣島南部をバスで巡る。

午前中バスで「国立天文台VERA石垣島観測局」に行きました。VLBIの観測のための施設です。国内では岩手県水沢市と東京都小笠原村、鹿児島県入来の4か所にある施設です。台風通過後の調節前で直径20mの電波望遠鏡を動かしてくれました。

VERA石垣島観測局で

その大きさと機敏な動きに驚きました。午後、南西部の観音崎手前の「唐人墓」に行きました。中国人の派手なお墓で、沖縄のお墓に通じる巨大さでした。次に環境省の「国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター」に行きました。石垣島周辺のサンゴ礁の現状について説明を受けて、展示されているサンゴの標本や増殖したサンゴを見せてもらいました。中庭に巨大な飼育放棄された大きなイグアナがいて驚きました。

国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターで

 

8月5日㈯☀石垣島南部を散歩する。

午前中ホテルから東の「多田の浜」まで国道390号線に沿って街路樹を観察しました。道路沿いにある熱帯の草木を解説しながら歩きました。大変暑く、途中休みながら行きました。多田の浜では琉球石灰岩独特の侵食地形ノッチが見られ、浜はサンゴの破片や各種の貝殻、多数のゴミがありました。貝殻やサンゴ片を採集して戻りました。

多田の浜で、琉球石灰岩の「ノッチ」

8月6日㈰☀バスで石垣島中央部までの見どころを巡る。

伊原間のハート岩(津波石)

シーサー工房でシーサーのオブジェと

午前中、「川平湾」でグラスボートに乗り、生きているサンゴやシャコガイ、ウミガメを見ました。台風通過後で波があり下を見ていたら船酔いし、残念ながら外の風景しか見られない人が続出しました。下船後展望台で入り組んだ地形を見ました。山原の食堂で昼食を全員そろって楽しく食べました。次に「米原米子焼工房シーサー農園」に行きました。様々なシーサーの大きなオブジェがあり池に各種のトンボ、チョウが乱舞していました。次に「伊原間の海岸」で、津波で沖から流されてきた津波石の「ハート岩(巻石)」を見ました。とてもきれいな素晴らしい海岸ですが、津波の痕跡があり複雑な気持ちになりました。

「玉取崎展望台」で北東の平久保半島や周辺のサンゴ礁を見ました。石垣島東部サンゴ礁の外側がクッキリと確認できました。南国の蝶やトンボが乱舞していました。

 

8月7日㈪☀隣にある竹富島まで往復する。

竹富島で

竹富島はサンゴ礁が隆起してできた島で最高地点が20mほどの平らな島です。高速船で渡って自転車で島をめぐりましたが、思っていたより凹凸があり、借りたママチャリではつらい所もありました。海に入れる所があり全員で泳ぎました。熱帯のカラフルな小魚が多数泳ぐ透き通る海でした。独特の景観の街の中、南国のアゲハ蝶シロオビアゲハが多数飛んでいました。また、道路沿いには野生の?パパイヤの木がありパパイヤが実っていました。帰る途中で食べた高価な紅芋ソフトクリームが美味しかったです。

8月8日㈫☀石垣島から山形までの移動日。

石垣空港、那覇空港、伊丹空港、山形空港と空路で東根に戻ってきました。予定を6日も超過し南米への海外旅行並の10泊11日になりました。参加者はこの旅で逞しくなったと思います。この経験を今後に生かし東桜学館のリーダーになって欲しいと思います。