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第5回校内東京大学金曜講座開催

5月28日(金)に,今年度5回目の東京大学「高校生と大学生のための金曜特別講座」を校内で視聴しました。今回は「生き物の群れと微生物の泳ぎを物理の目線で見てみたら」と題し、西口大貴先生(東京大学理学部 物理学科・助教)がご講演くださいました。中学1年生12名、2年生9名、3年生9名、高校1年次18名、2年次3名の51名が参加しての開催となりました。今年度は中学生の参加が多く、早い段階で様々な研究に触れていることがきっと将来の役に立つだろうと大いに期待しています。また、中学生については電車時間を考慮し、早めの退出に対応します。次回は6月11日(金)村上克尚先生(東京大学大学教養学部統合自然科学科‣教授)による「大江健三郎のデビュー作『奇妙な仕事』を読む」を予定しています。

<生徒の感想から>

今回、生物の動き(群れ)を物理学的に見るという講義を受けてみて、これまで漫然と流して見ていた現象は、実はしっかりとした運動の法則のようなものがある現象だったのだと知ることが出来た。前半はホタテがはちみつの中を動く時、どのように動くかということから始まった。私は最初はPurcell博士と同じように、ホタテは急いで閉じる→ゆっくり開くという動作を繰り返して前に進むのかなと思っていたが、筒の中に強粘性をもつ液を持った実験動画を見てとても驚いた。また、この強粘性の世界はミクロの世界とイコールなのだという先生の説明を聞いて納得できた。特に面白いと思ったのが、バクテリアに壁を与えた実験動画で、泳ぎ方に違いのある生物は、壁を置いた時の動きが違うのだと知り、他の微生物がどのような動き方をするのか興味を持った。(高校1年次K.K.さん)

 

第4回校内東京大学金曜講座開催

5月7日(金)に,今年度4回目の東京大学「高校生と大学生のための金曜特別講座」を校内で視聴しました。今回は「民主主義とは何か ~歴史から考える」と題し、宇野重規先生(東京大学 社会科学研究所・教授)がご講演くださいました。中学1年生6名、2年生16名、3年生14名、高校1年次28名の64名が参加しての開催となりました。民主主義とは何かを自分の言葉で語れるようになって欲しいという宇野先生のお話に、真剣に考えながら受講していました。

<生徒の感想から>

私は民主主義とは明確に決まっていると思っていたが、「民主主義概念をめぐる混乱」では、3つの観点から正反対の考えを聞いて、どちらも正しいと思った。しかし、答え合わせを聞いて、矛盾がある中でも2つの考え方を大切にしていくことが重要だと思った。また、歴史学者の民主主義観について、選挙よりも抽選の方が良いのではないか、や、デーモスという地域制度を作ることで誰もが平等に発言できるようになるのでは、など、それぞれの視点で民主主義の社会をつくるための考え方があって面白いと思った。現代社会の4つの危機については、特に身近に感じたのは「コロナ危機と民主主義」で、世界中で問題となっている対策において、民主主義が乗り越えていけるのか、これからの政治について詳しく見ていきたいと思った。(中学3年 K.Y.さん)

講義の最初に民主主義について聞いた時、民主主義は多数決の原理なのか、選挙のことなのか、具体的な制度なのか、終わることのない理念なのか、全てのことに納得してしまったため、矛盾が生じ、民主主義とはどのようなことなのかよくわからなくなりました。でも答えは全てを両立させたもので、ほぼ全ての人が満足して生活できる良いものだと思いました。しかし、民主主義の中でも、代議制民主主義は代表者だけが議論をするもので、議論に参加したくともできない人もいます。決まったことに反論はできません。今まで私はこれが民主主義だと思っていたけれど、強い者の意見を聞かなければならないこのシステムは非民主主義でないかと思いました。日本は民主主義で、私ももうすぐ政治に参加する権利を得ます。当事者意識や判断に伴う責任を持ちたいと思いました。(高校1年次Y.H.さん)

第3回校内東京大学金曜講座開催

4月30日(金)に,今年度3回目の東京大学「高校生と大学生のための金曜特別講座」を校内で視聴しました。今回は「分子から生命をつくる合成生物学』と題し、市橋 伯一先生(東京大学 教養学部 統合自然科学科・教授)がご講演くださいました。中学1年生7名、2年生9名、3年生14名、高校1年次44名、2年次4名と81名が参加しての開催となりました。最先端の合成生物学の研究から、生物とは何か、進化とは何か、を考える非常に良い機会となりました。

<生徒の感想から>

今回の講座を聴いて、分子から生物を作るのは改めて難しいことだなと感じました。その理由としては、まず生物と化合物を分ける定義というものはまだあるわけではないし、自分たちも生物の一種であるため、客観的に生物というものがどのようなものであるか見ることが出来ないことが挙げられると思います。生物学にはまだまだ生物学の本質を知るための材料が少なくて、生物の本質を知ることはとても困難なことだけれど、もしその本質を知ることが出来れば、私たち生物に良い影響をもたらすものを作り出すことも可能になってくるかなと感じます。私も今年から生物学を学んでいるので、知識を身につけるだけでなく、それらのつながりを考え、生物というものはどういうものか、可能な限り考察してみたいです。(高校1年次 K.W.さん)

第2回校内東京大学金曜講座開催

4月23日(金)に,今年度2回目の東京大学「高校生と大学生のための金曜特別講座」を校内で視聴しました。今回は「カーストとは何か―インドの歴史人類学から再考する』と題し、田辺明生先生(東京大学 教養学部 教養学科・教授)がご講演くださいました。高校1年次が50名、2年次も13名、中学からも3年生3名、2年生3名が参加しました。多様性を受け入れるインドとそのカースト制度について、熱心に拝聴していました。

<生徒の感想から>

私自身、先生がおっしゃっていたように、「カースト=差別」というイメージが先行して、負のイメージが強かったが、そんなインドから多様性と平等性を見るというテーマ自体に、自分のあたりまえが覆される感覚を覚えた。私の中で、最も印象的だったのは、カースト制度の下で多様性が増えていくという構造だ。「存在の平等性」はとても頷ける原理だが、そこから生まれた多様性の形は日本にはない感覚だった。これまで4年間、違いを面白いと思い、楽しみ、相手の存在を認めるということを学んできたつもりだが、それでも同調圧力は生活の中にあると思う。他者を認めるには、まず自分を他者と違うととらえる前提の上で、存在を自分と同等として認めることが必要だと改めて感じた。(高校2年W.K.)

令和3年度第1回校内東京大学金曜講座開催

4月16日(金)に,今年度最初の東京大学「高校生と大学生のための金曜特別講座」を校内で視聴しました。今回は「『はやぶさ2』と太陽系の科学」と題し、橘省吾先生(東京大学理学部 地球惑星物理学科/地球惑星環境学科・教授)がご講演くださいました。高校1年次が24名、2年次も8名参加しました。はやぶさ2が持ち帰ったカプセル内の物質を分析するプロジェクトメンバーである先生の話に、感動しながら拝聴していました。

<生徒の感想から>

リュウグウの研究から地球の生命について迫るヒントが得られる可能性があると知り、宇宙を知ることで地球の生命を知ることがとても面白いと感じました。一つの分野に限って考えていてはできないことがたくさんあるのだということを感じました。これからわかるリュウグウについてや、ハヤブサ2についてのニュースが楽しみです。(2年K.K.)

今回の講座では、はやぶさ2が惑星竜宮に行った理由から教えてもらった。リュウグウでなければならない理由が、太陽の熱が影響していることを知り驚きました。自分は工学部に進学したいと思っていて、モノづくりを将来したいと考えており、はやぶさ2の構造を見た時ワクワクしました。(1年O.T.)

今回の講座で一生見れないようなカプセルからサンプルを取り出す機械を見れたことがすごくうれしかったです。私は宇宙が好きなので、地球や他の天体、宇宙のお話を聞くことが出来たことも嬉しかったです。「声を聴く」や「石が日焼けをする」など、身近で分かりやすい語句を使って説明してくださっていたのがとても印象的で、学問がより身近なものに感じられました。(1年K.S.)

R2 SSH研究開発実施報告書

令和2年度(研究開発4年次)SSH研究開発実施報告書の内容です。

平成29年度指定スーパーサイエンスハイスクール研究開発実施報告書 第4年次

未来創造プロジェクト成果発表会を開催しました!

令和3年2月10日(水)、令和2年度未来創造プロジェクト成果発表会を中高同日に開催しました。

高校の午前は北アリーナにて全体会(全国SSH生徒研究発表会やSKYSEF2020に参加した3年次生のポスター発表や、秋に開催した庄内フィールドワーク活動報告、中学3年生・高校2年次生による代表発表)を行いました。午後からは、高校1年次生が中学3年生の個別発表に参加した後、高校2年次生全員による個別ポスター発表を行いました。この発表を通して、次年度の外部発表会に参加する研究グループが選出されます。高校2年次生にとっては、コロナ禍により制限が多い1年間でしたが、これまでの研究成果について動画や実演などを取り入れながら、堂々と発表していました。高校1年次生は、それらの発表に熱心に聞き入り、質疑応答を通して今後の自分の研究についても参考にしていました。

     

SSH通信 第11号

令和2年度東北地区サイエンスコミュニティ研究校発表会

 

東北地区サイエンスコミュニティ研究校発表会は、東北地区6県のSSH指定校などを対象に、理数系の課題研究に積極的に取り組んでいる高校生が授業や部活動で取り組んできた研究成果を発表し、発表者との対話を通じて相互交流・評価を行うことで切磋琢磨し、これからの活動や研究の質・量の両面で活性化を図ることを目的に開催されている発表会です。今年度も、現地参加校が8校、リモート参加校が11校の計19校参加の大規模なものとなりました。本校からも、高校2年次の未来創造プロジェクトにおける中間発表会で高評価を得、選抜されたグループがオンラインで口頭発表を行いました。参加した生徒たちは、参加校の質の高い研究に触れたことはもちろん、自らの研究について発表したことは大変有意義な経験となりました。研究に助言をいただきました先生方、参加校の皆様、そして発表会開催校の水沢高校の皆様、本当にありがとうございました。

1月22日(金)SS健康科学【講話⑤】生徒感想

◆ 講 師 山形大学 地域教育文化学部 大森 桂教授

◆ テーマ 「QOLの向上を目指す『食育』」

◆ 対象者 高等学校1年次

◆生徒感想

〇食事の役割について改めて学んだ。やはり、明治時代からも言われているとおり、教育やQOLを考えたときに食育という分野はとても大切なものである。健康の三要素の一つである「食」に関わる職業もおもしろそうだな…と思った。また、食という個人の問題で、自分が食べたいものを考えて、買ったり消費したりするものだと思っていたが、自給率・環境保全・食品ロス・文化伝承など社会の福祉にも関係することを知り、もっと責任を持たなければならないのだと思った。また、普段文系の学問での研究についての講義はあまり受けたことがなかったので、とても刺激的だった。教育の面も合わせて、カレンダーを作ったり、海外の食に関わってみたり、と理系の分野にはない面白さもあり、この研究分野はおもしろそうだなと思った。そして、栄養教諭さんの存在の重要さにも気づくことができた。食とひとくくりに言っても、心理学であったり、教育学、化学、歴史など様々な分野につながっていた。特に、心理学であったり、人の行動の性質の学習であったり、“本能”といった概念にも気づかされた。また、海外のエディブル教育なども知り、日本でも導入していければいいなと思った。(1組)

〇今日の講義を聞いて、食物新規性恐怖と食物嫌悪学習についての話が印象に残りました。幼い頃、嫌だと感じた食べ物は食べなくなったり、初めて食べるものは食べないというのは、ただのわがままだったりするのかと思っていたけど、人間の本能だということを知ることができました。将来、子どもには無理に食べさせるのではなく、少しずつ慣れさせたり、好きなにおいを加えたり、同級生の子どもと食べさせたりすることで克服できるようにしたいと思いました。また、「味わうことは、誰も代われない」という言葉が印象に残っていて、自分と向き合って、自分なりに表現することが大切だと思いました。食育を通して、個人の健康の向上にもなるし、社会福祉やSDGsへの貢献ができるので、食育をもっと広めていきたいと思いました。一方で、食事をすることによって、問題もでてきているので、気をつけたいと思いました。いつも食事をするときに特に何も考えていないので、もっと五感で感じながら食事を楽しみたいと思いました。(6組)