5月13日(木)中学2年の総合学習の授業として、東根市の「ともに築く地域未来創造事業」を活用し、「まちづくりパートナー講座」を開催しました。東根市総合政策課課長 青柳昇氏、東根市生活環境課課長 間木野教子氏のお二人を講師にお招きし、「東根市のまちづくりについて」と「未来へこの思いとどけ~ゼロカーボンシティを目指して~」の演題で講演いただきました。講演後は、生徒の数多くの質問にも丁寧にお答えいただき、市政について興味を広げることができました。地域や身のまわりのことに、自分事の視点で考えていく重要性を感じた時間となりました。
SSH関連カテゴリー: 講義・講演会(中高)
4月22日(木)中学2年の授業にて、地域振興サポート会社まよひが企画代表の佐藤恒平さんを講師にお招きし、「地域創生講話」を開催しました。
本校では、未来創造プロジェクトと題して、探究学習を進めています。中学2年生は、「やまがたの未来をデザイン(よりよく)する。」という学年テーマのもと、身近なつながりに目を向けて、自分で企画し行動することで、自分を含めた周りの人を笑顔にする活動を展開しています。
佐藤さんの講話は、終始楽しさにあふれており、あっという間の2時間でした。朝日町のゆるキャラ『桃色ウサヒ』が誕生したきっかけや町の人がウサヒというゆるキャラを活用することで、地域が活性していく仕組みなどは、大変興味深いものでした。「まちおこし(地域振興)」が生徒にとって、身近に感じられた楽しい授業となりました。
1月25日(月)に、中学3年生を対象に山形大学出張講義を受講しました。この学習は、キャリア教育の一つとして、これまでの1年生、2年生でのキャンパスツアーを踏まえ、文理選択につなげることをねらいとして、3つの講義から生徒自身が希望する講義を1つ選択して受講しました。当日は、山形大学の源島穣氏(人文社会学部講師)から、「行政学入門:行政=役所なのか?」(オンラインで実施)というテーマで、普段意識することのない行政の色々な役割についての講義を、江間史明氏(地域教育文化学部教授)からは、「はじめての日本語ディベート」というテーマで、ディベートの動画を見てのジャッジの演習、議論に必要な傾聴力や理由をつけた根拠と主張についての講義と助言をいただきました。松葉豪氏(工学部教授)からは、「自動車に使われる高分子」というテーマで、高分子素材の構造と応用について生徒の興味をひくユニークな説明をしていただきました。それぞれの講義で高まった興味・関心、深まった知識を、これからの物事を考える視点や進路を考える視点にいかしてほしいと思います。
11月16日(月)の放課後、台湾のIT(デジタル)大臣オードリー・タン氏と高校生による「近未来の教育について考える」シンポジウムが開催されました。これは、熊本県立熊本高等学校がWWL(ワールド・ワイド・ラーニング)九州地区事業連携校とともに開催したものです。
本校では高校1年次有志十数名が、九州7県7校の高校生の質問、タン氏の回答という形で進められたシンポジウムのようすを視聴しました。(最後の質問は、全国260校から出された質問の中から投票で選ばれた質問でした。)
16歳で起業し「世界の頭脳100人」にも選出された希代の天才の生の声、そして、何よりタンさんの人としての在り方にも触れる機会としてたいへん貴重な時間になりました。
タンさんは、高校生のさまざまな質問に対して一つ一つ丁寧に回答されておられました。ここではその中からいくつかをご紹介します。
Q:タンさんが生きていく中で信念とされていることはなんですか?
A:大好きな詩人のレナード・コーエン(Leonard Cohen)さんの「万事には裂け目がある。裂け目があるからこそ、そこから光が差し込むのだ」(There is a crack in everything and that‛s how the light gets in.)という言葉を信念にしています。
Q:AIは、文明の進展にどの程度貢献できるでしょうか?
A:私は、AI(Artificial Intelligence)を、Assistive Intelligence(アシストする知能)、つまり、人間の手助けをするためのもの、あるいは、できるけど人間がやりたくないことを代わってやってくれるものと考えています。同じような例として「火」をあげることができます。もともと食べられるものを、火に通すことによって食べやすくしたり、消毒したり、保存しやすくしたりすることで「火」は文明に貢献してきました。しかし、扱いを誤れば人間に悪影響が及びます。AIも同様です。どのように扱えばよいのかを考えられるようにすること、そしてそのための教育が大切です。
Q:私たち高校生はこれからの社会で改革を起こしていく立場にあります。タンさんは誰も挑戦したことがない改革に取り組む際、”失敗したらどうしよう”という不安に対してどのように対処していますか?
A:完璧だったら何も言うことはありませんが、失敗があるからこそほかの人との交流が生まれます。自分よりいい知恵を持っている人からは、それを拝借すればいいのです。失敗は怖くありません。若い皆さんには早めに失敗し、それを表(おもて)に出すことをお勧めします。失敗が新しいことを創り出すきっかけになるのです。
Q:16歳で起業する際、必要な知識を独学で学ばれたとお聞きしましたが、どのように学ばれたのですか?
A:社会的に解決すべき課題がどこにあるのかを探すところからスタートしました。私の場合は、家の不必要なものを、どのようにして必要な人に提供するかという課題の解決を考えました。その方法としては物々交換、オークションなど様々な方法が考えられますが、需要を探すことが最も大切です。そして、必要としている人の意見をよく聞き、失敗を重ねながらよりよいものに変化させていくことが重要です。
Q:プログラミングの第1線で必要とされる人材になるためにはどのような能力が求められますか? また、私たち高校生は何から始めればよいでしょうか?
A:プログラム・デザインと言われるように、プログラミングでは「デザイン思考」を身に付けることが大切です。デザイン思考では、問題を解決するために、まず使う人たちの意見を集約し、そこから共通の価値を見い出して解決方法を考えます。その方法は、自分がはじめに考えたアイデアとは違っているはずです。つまり、異なる考えや意見を持っている人と協働で開発していくことが大切なのです。日常生活の中でマンネリ化していることでも、ちょっと方法を変えることによって楽しくなったりすることがあります。そのように、新しい生き方を考えていくことを繰り返していくとデザイン思考が身に付いてくると思います。
最後の質問に対するタンさんの回答の内容は、東桜学館が取り組んでいる未来創造プロジェクトの基本的な考え方の一つである「デザイン思考」についてでした。
台湾デジタル大臣「唐鳳」を育てた教えと環境 ~天才をつくった恩師の言葉と両親の教育~(東洋経済ONLINE)
台湾のIT担当大臣オードリー・タン氏とは(案内リーフレット等から)
生後8ケ月で言語を話し始める。8歳から独学でプログラミングを学び始める。小中学校では転校を繰り返す。12歳、コンピュータで※Perlを学び始める。14歳で中学校を退学する。その後、プログラマー・ホワイトハッカーとして台頭すると、16歳でインターネット企業を立ち上げ、19歳で米・シリコンバレーでも起業する。24歳、Perl6の実装Pugsを開発、普及活動に尽力。米AppleでSiriの開発に携わる。トランス・ジェンダーであることを公表し、名前も「唐宗漢」から「唐鳳」に改名(英名:オードリー・タン)とした。
アメリカのApple社顧問に就任するが、33歳でビジネスの世界からリタイアを宣言する。35歳の時、史上最年少の若さで蔡英文政権にIT大臣として入閣し、IQは180超とも言われている。
新型コロナウイルスが蔓延する台湾で、マスク在庫がリアルタイムで確認できるアプリ「マスクマップ」を開発し、その対応が絶賛された。
※Perl:ラリー・ウォールによって開発されたプログラミング言語である。 実用性と多様性を重視しており、C言語やsed、awk、シェルスクリプトなど他のプログラミング言語の優れた機能を取り入れている。 ウェブ・アプリケーション、システム管理、テキスト処理などのプログラムを書くのに広く用いられている。(「Wikipedia」より)
7月7日、河北町の金型メーカー「株式会社IBUKI」、AI関連会社「株式会社LIGHTz」、起業支援等を行う「株式会社O2」等4つの会社を経営する松本晋一(しんかず)様から高校1年次生対象にご講演いただきました。
ご講演では、職人の技をAIによりデータ化する等のものづくりの分野での取組みや、データ分析によるスポーツ分野でのAIの活用についてお話いただきました。また、ゲストスピーカーとして、フェンシング日本代表をデータ分析で力強く支えておられるスポーツアナリストの太田奈々海様からも、スポーツデータ分析の貴重なお話を伺う機会もありました。
生徒、職員はお話を拝聴し、多方面で活用が進むAI技術とデータサイエンスについて理解を深めました。
松本様からは、専門的なお話に加え、これまでの生い立ちや起業までの経緯、家族の大切さ、人としての生き方在り方等についても、大変示唆に富む、また心に響くお話を頂戴しました。
講演後の質疑応答では、生徒からの素朴な疑問に丁寧にご回答いただきました。松本様、太田様、大変お忙しい中のご講演をありがとうございました。
5月下旬から6月上旬に、各学年で「未来創造プロジェクト」のガイダンスが行われました。「未来創造プロジェクト」とは、主体的に課題を見出し、多様な他者と協働して課題を解決する能力や態度の育成、自己の生き方や社会参画の在り方を考える能力の育成を目標として、中学・高校の6年間の学館生活を通して実践される課題探究学習です。
今後、2月10日(水)に予定されている「成果発表会」に向けて、各学年での取り組みが本格化していきます。
7月16日(火)に「高校生と地域企業等の交流事業」において、山形県内にある企業から講師をお招きして講演会を実施しました。鶴岡市にある慶應義塾大学先端生命科学研究所を起点として様々なベンチャー企業が創業されましたが、その中でもスパイバー(人工クモ糸で有名)と同じくらい独創的な研究を行っている株式会社メタジェンから、野間口達洋 氏、仲谷健 氏、古川梨紗子 氏の3名の研究者にお越しいただきました。「あなたの茶色い宝石 ~最先端科学で便の価値を紐解く~」と題し、「便」について熱く語っていただき、この「便」から早期に病気を発見・診断し、この「便」を通して病気の無い健康社会を作り上げる可能性について学ぶことができました。講演後、生徒たちはたくさんの質問を行い、大変活気のある講演会となりました。
外務省では,高校生の外交・国際問題に対する関心や理解を深めるとともに,今後の進路を選択する際の参考となるよう,外務省の仕事に対する理解の促進を目的とする講師を派遣する事業を平成7年度から行ってきました。今回,全国各地の国際交流,外国語教育,地域の国際化等に熱心な講演希望校の中から実施校として本校が選ばれ,11月13日(火)に1年次生を対象に実施されました。外務省外交記録・情報公開室課長補佐の渡部英俊氏が来校され,「グローバル社会における日本のあり方」と題して1時間ご講演頂き、その後生徒5名との座談会を70分に渡って行いました。講演では世界のグローバル化した現状と外務省の取り組みについて、そして渡部氏の個人的経験についてお聞きし、座談会では外国人労働者の受け入れ問題やODAなど,かなり突っ込んだ内容についてご意見をうかがうことができました。
【生徒の感想から】
外務省の国際関係についてのことは,自分との関わりが薄いような感じがして,あまり関心がない分野でした。でも,今回の講座を受けて,新しい知識をたくさん得ることができました。世界における日本の存在感については,自分たちにできることは小さなことかもしれませんが,日本をもっともっとアピールし,より大きな存在感を放ち,さらなる発展を目指していかなければならないと思いました。(A. U.)
海外の話を多くしていただいたので,興味の範囲が広がりました。グローバル化が進む中,私たちに求められることも変わってきているので,今日の講座で聞いた話はとても役に立つと思いました。講師の渡部さんが身をもって感じた「高校時代ほしかった言葉」や「外国語学習の重要性」を聴いて,自分の甘い考えを改めることができました。(N. A.)
今回の講座で特に印象に残っているのはITER事業についてです。環境への負荷が少ない恒久的なエネルギー源の1つということで,今までのエネルギー源とは何がどのように違うのか,2025年の運転開始が楽しみだなと感じました。また,職員の3割が女性だということや入省するにはどんな試験があるのかなど,外務省の仕事に興味が湧きました。(A. S.)
7月17日(火)に高校2年次生徒全員対象に、SSH講演会を開催しました。東北大学大学院生命科学研究科の渡辺正夫教授を講師に迎え、「SSH課題研究を始めるに当たってー高校のSSH、課題研究が大学院での研究につながるー」という演題で講義をいただきました。
2年次生は現在、課題研究のリサーチクエスチョンが決まって、夏季休業に向けて実験・観察・調査・アンケート等のデータ収集を行う計画を立てている時期です。先生からはデータの取り方や、まとめ・論文の書き方等にいたる具体的なお話をしていただき、課題研究の重要性を確認する機会となりました。さらに、自分の人生経験をもとに、自分を振り返ること、キャリアアップについて等の進路選択に当たってのお話も、分かりやすく聴かせていただきました。最後の質問コーナーでも、時間が足りないくらい生徒からの質問があり、先生からはそれぞれの質問に丁寧に答えていただきました。渡辺先生、ありがとうございました。
<生徒の感想>
今日改めて課題研究の重要性について講義を聴き、自分の研究の仕方を見直す必要があると感じた。また、レポートは研究の中で本当に大切なものであり、自分の言葉で表現し、発表することは大変なことだと思った。大変ではあるが、努力していきたい。様々なことにトライして自分の興味・関心を広げ、人生において本当に自分がやりたいことを見つけていきたい。(理系・女子)
今日のお話を聴いて、私たちが取組む課題研究は自分たちの目標達成に近づくためのものであって、とても良いチャンスをいただいているんだと感じた。私たちのグループでは、大学の先生にアドバイスをいただけることになったものの、明確な構想を考えることができていません。先生がおっしゃったようにグレーゾーンにtryし精度の高い研究にするためにも、しっかりとした構想を練り、考えを示すことができるように計画を立てるべきだと思った。(理系・女子)
自分は文系であることもあり、「SSHは理系に関わること」と思っていたのだが、そういう訳ではないことが理解できた。文系でも科学的な視点から物事を見たりすることや、理数科目と他の科目をつなげて考えてみたりすることが大事だと思った。また、課題研究は普段の生活にも活かせることがたくさんあることが分かった。まずは先生の「最近の高校生に思うこと」のスライドにあった5つの項目をしっかり実行したいと思った。(文系・男子)
渡辺先生の講演の様子 門間君のお礼の言葉
本日(27日)6校時、本校大講義室において中学1年生全員を対象にBe★ラボ! 山大サイエンスカーの企画が実施されました。
今回の様子は、7月5日(木)午後9時よりFMやまがたのラジオ放送で紹介されます。