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中学1年生のキャンパスツアーを開催しました

12月5日(月)、中学校1年生が山形大学小白川キャンパスを訪問しました。

1 大学について「大学概要説明・キャンパスツアー」

2 模擬講義①「『正直』ってどういうこと?〜論語の問いかけ~」
講師:山形大学 地域教育文化学部 地域教育文化学科 三上英司教授

3 模擬授業②「太古の地球に出会う~南極から探る地球の歴史~」
講師:山形大学 理学部 理学科 加々島慎一 准教授

地域教育文化学部の三上先生からは、『論語』の話だけではなく、学ぶことやこれからのビジョンの持ち方などを教えていただきました。「”あなた”をつくるために、しっかり学ぼう。学びには時間がかかるもの。」という先生の言葉に勇気づけられたようすでした。また「大学合格はゴールではない。30歳になったとき、どんな自分になりたい? そのために何が必要? 早速、今日帰ったら考えみよう。」という先生から示された課題にしっかりと取り組んでほしいものです。

理学部の加々島先生の講義では、南極の写真や南極観測船「しらせ」での生活のようすなど、実際に南極観測隊員として現地に赴いた加々島先生だからこその貴重なお話に聞き入ってしまいました。今回は南極のお話でしたが、先生はエチオピアにも何度も調査で行かれたそうです。フィールドワークの面白さとたいへんさを教えていただくとともに、実際に採取してきた○○億年前の岩石などを見せていただきました。

南極の氷がとける音を聞いています。何万年前の空気と共に…まさにロマン!!

R04 後期第6回校内東京大学金曜講座開催

12月2日(金)に,後期6回目の東京大学「高校生と大学生のための金曜特別講座」の校内視聴を実施しました。今回は「経済学の功罪」と題し、高見典和先生(東京大学 教養学部 教養学科・准教授)がご講演くださいました。中学1年生3名、2年生2名、高校1年次38名が会議室で視聴しました。「今の私にとって経済学はただの社会の流れに過ぎない存在だと思っていたが、実際にはその中にメリット、デメリットが存在し、決して一つの大きなものとして捉えられないということを学んだ(高校1年Sさん)」、「経済学が、人間を富を獲得し、消費し、自分の経済的利害しか考えていない存在として捉え、その領域において一般的傾向を論じていたことを知り、興味深いと思った。単純化することで、完全には正しくなくとも、一定の判断をすることで世の中に役立てられているということがわかった(高校1年Kさん)」のように、新しい学びのある講座だったようです。次回の開催は1月20日の「人間と人工知能の協働」です。

R04 後期第5回校内東京大学金曜講座開催

11月11日(金)に,後期5回目の東京大学「高校生と大学生のための金曜特別講座」の校内視聴を実施しました。今回は「物語の<裏>を読む―「山月記」「舞姫」ってほんとは全然違う話かも?-」と題し、出口智之先生(東京大学 教養学部 準教授)がご講演くださいました。中学1年生4名、2年生2名、高校1年次37名が大講義室で視聴しました。国語の教科書でよく取り扱われている「山月記」と「舞姫」について、授業で学習する「一般的な読み方」とは少し角度を変えた読み方を教えていただき、文学の新たな楽しみ方を知ることができました。講座の終わりには、「出口先生の本買って読んでみます!」と言ってくれた中学生もいて、この講座が新たな学びの第一歩になったようです。

第16回全日本高校模擬国連大会・本戦に参加

11月12日・13日に、研修旅行から駆けつけた2年次2名が、渋谷にある国連大学にて全日本高校模擬国連大会に参加しました。議題は「多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言」で、本校生徒はクロアチア大使として、二日間に渡って熱心な議論が繰り広げられました。多国籍企業は時に、国家の経済力を上回るほどの強大な経済力を持ち、各国の税制や法律・慣習に従って各国現地法人を複数所有し支配しているという事実の認識から始まり、各国の国益を守りながら、コロナ禍におけるデータ管理や社会保障について、各国の支持を得る宣言の作成を目指しました。東北ではまだまだ馴染みのない模擬国連ですが、参加校の多くは部活動や委員会などで練習試合などを繰り返し、予選会を通過しているため、非常にレベルの高い議論が展開されていました。

齋藤桃さんは「何も知らない国とこの一ヶ月間向き合い、今ではクロアチアに対して愛国心のようなものを感じます。簡単に言えば『多国籍企業に関するルール作り』を40カ国の大使と協議したわけですが、強大な経済力を持つ多国籍企業だからこそ、国家がどのようなルールを設けるかによって国益は大きく左右されます。国益と対立する政策に対し、どこまで譲歩し、合意形成を行うか、悩み、迷い、考え抜いたこの2日間は非常に有意義でした。そしてなによりも、この会議で出会えた人たちとの交流は、山形にいたら絶対に経験できないことでした。この模擬国連に参加できたことを光栄に思い、協力してくださった先生方、家族に感謝します」と感想を述べてくれました。髙橋駿輔君は「最初はかなり緊張しましたが、自分達の能力を信じて有意義な会議にすることができました。すべてのチームが奮闘し、輝いていました。心から尊敬しています。しかし同時に、自分の生きてきた世界の狭さを知ることにもなりました。今は、いつも応援してくださった先生方や友人、そして何よりチームメイトの桃への感謝でいっぱいです」と感想を述べてくれました。大きな成長を促してくれた全日本大会だったようです。

 

R04 後期第4回校内東京大学金曜講座開催

11月4日(金)に,後期4回目の東京大学「高校生と大学生のための金曜特別講座」の校内視聴を実施しました。今回は「量子の世界のフレミングの法則:ホール効果の物理」と題し、塩見雄毅先生(東京大学 教養学部 統合自然科学科・准教授)がご講演くださいました。中学1年生5名、2年生1名、高校1年次6名が会議室で視聴しました。「普段何気無く見ている磁石には、ホール効果、ローレンツ力など、様々な物理的現象が生じており、磁石という物質の状態を保つことだけでも、電子やスピン流が流れ続けているということが興味深かった。(高校1年Aさん)」のように、新しい発見のある講座だったようです。次回の開催は11月11日の「物語の〈裏〉を読む― 「山月記」「舞姫」って、ほんとは全然違う話かも?」です。

R04 後期第3回校内東京大学金曜講座開催

10月21日(金)に,後期3回目の東京大学「高校生と大学生のための金曜特別講座」の校内視聴を実施しました。今回は「人口問題の数学」と題し、稲葉寿先生(東京大学 理学部 数学科・教授)がご講演くださいました。中学1年生5名、高校1年次8名、2年次1名が大講義室で視聴しました。「人口の増減を数理モデル化することで、今後の人口変化をより簡単に推定できるようななることがわかった。世の中に存在する事象を数字化することはまだイメージしづらいものの、自然に起こることを数式化するところに面白さを感じた。また、自分の考慮したいものを数式の要素に加えることで、それについて式を作ることができるところに、柔軟性を感じた(高校1年Aさん)」のように、数学の新しい一面を知る貴重な講座だったようです。次回の開催は11月4日の「量子の世界のフレミングの法則:ホール効果の物理」です。

県高等学校英語ディベート大会で2年連続1、2位を独占!

10月25日(火)に、今年度もオンラインで、論題のResolved: That the Japanese Government should abolish the mandatory retirement age systems.(日本政府は,定年制を廃止すべきである。是か非か。)について、県内10校による県大会が開催されました。本校からはA, Bチームだけでなく、組み合わせの関係で偶数チームにするために、サプリチームを募って参加しました。このサプリチームは部活動はESSではなく、他の部に所属していて、授業でしかディベートをやったことのないメンバーで構成されています。約1週間で論題について学んで準備を行い、初めての対外試合に出場することを目指しました。残念ながら前日の夜に1チームが棄権することがわかり、サプリチームの出場がなくなる事態が発生しましたが、高校教育課のお計らいにより、第5位の予選順位チームとエキシビジョン・マッチを行うことが出来、山形西高校Bチームと試合をすることが出来、勝利をおさめました。ESSのA, Bチームは予選4試合をそれぞれ全勝で勝ち上がり、2年連続で決勝戦を同校対決で行い、結果は否定側のAチームが勝利。3年生も応援に駆けつけてくれ、全国大会出場を一緒に喜びました(3位は米沢興譲館A、4位は山形東A)。昨年の全国大会の悔しさを忘れず、全国大会で上位を目指します。全国大会は12月17、18日、オンラインで行われます。応援をよろしくお願い致します。

なお、今回の審査員長を務めてくださった中央大学矢野善郎先生の講評を下に転載していますので、ご覧いただければ幸甚です。

 

第8回 山形県高校生英語ディベート大会総評・決勝戦講評
――山形県大会にご参加の皆様へ――

10/25に行われた山形県大会,大盛況のうちに終わりましたね。オンライン大会特有の問題,ネットワーク接続などで大変なところもあったとは思いますが,まずはお疲れさまでした。
今年度も審査に呼んでいただいて光栄でした。
私は初回から幸運にも呼んでいただいております。当初より,山形の高校生のみなさんの爽やかで向上心あふれる姿勢に打たれ,私自身元気をいただいておりました。
それだけでなく,近年とりわけ感じるのは,山形県の高校生の英語での議論力,そしてそれを支える先生方の教育力の向上です(実際,昨年山形県から全国大会出場した二校は,すばらしい活躍をされていました)。
今回も,幾つもの学校を審査させていただきましたが,どの学校も最後まであきらめず,チームメンバーと共に,できるかぎり頑張って英語で表現してみようと努力する姿勢が伝わりました。その姿勢は,間違いなく,今後の皆さんの英語との関わりにプラスになっていくでしょう。
また質的にもレベルの高い議論を行っている学校も幾つも拝見できました。とりわけ決勝戦の二チームは,ほかの県の学校にまったく引けを取らないどころか,今回の論題である,定年制廃止について,むしろ他県でもあまり見られない,より現実に即した議論ができていたと高く評価できます。
決勝の東桜学館BチームおよびAチームは,実に論題の本質をよくとらえていました。今年の論題は,「定年制を廃止」するということが法律で決まっている日本の未来を論ずるものです。実際には廃止の後,実際に高齢者が雇用されるのか,雇用されるとしたらどういう雇用形態で雇用されるのか(そのまま正社員を続けられるのか,あるいは非正規になるのか),どのような給与体系になるのか(日本の企業によく見られる年功序列は続くのか),また雇用も終身型が続くのか,流動化するのかなどは全く決まっていません。単純なディベートでは,肯定・否定ともに単に「定年廃止=高齢者が多く働く」という議論で話をしがちですが,山形県大会の決勝ではそうした単純な前提そのものを疑う高度なディベートになっていました。
決勝戦は,3-2で否定側東桜学館Aチームの勝ちとなりましたが,正直申しますと,別のジャッジ構成なら,容易に肯定・否定の勝者が入れ替わるほどの接戦の試合でした。
肯定側に票を入れたジャッジは,とりわけAD1で論じられた,日本の雇用がジョブ型といってより専門化した働き手を流動的に雇用する経済にシフトさせて,全体の賃金の平均が上昇する,またAD2 社会福祉(とりわけ年金制度)の崩壊が食い止められる。こうした議論が十分ディフェンスできているとして票を入れました。否定側からのアタックもたいへんよかったですが,ディフェンスで具体的エビデンスを挙げながらこのままでは社会保障が崩壊するということを説得力ある形でまもられており,高齢者雇用はそれに一定の歯止めをかけるということが論証できていましたので,とりわけAD2が強いと評価されました。
否定側に入った票では,そうした二つの変化が起きるということに疑問を持ち,DA1 高齢労働者の事故(肯定票では,事故がそれほど深刻でないなどのアタックでそれがかなり小さいDAと評価しました)や,DA2 高賃金である高齢者を雇う企業への負担がより大きいと考えました(肯定票では,企業がそうした高齢者に高賃金を払う体系を長く続けることは考えられないという肯定アタックの疑問が返答されていなかったのでAD1より小さいDAと評価しました)。
いずれにせよ立論も両チームともユニークでかつ英語も上手であり,アタックが両チームとも大活躍し,ディフェンス・サマリーも相当な仕事をできていた試合であり,山形県大会のレベルの高さを象徴した試合となりました。

あらためて優勝・準優勝の東桜学館AチームおよびBチームおよび3位となった米澤興譲館のみなさまおめでとうございます。東桜学館をはじめ,全国大会に出場する山形県から学校の皆さん,どうかお互い練習を重ね,ぜひ年末に大暴れしてください(大活躍,期待と言うより,エビデンスに基づいて予想しております)!
もちろん実際には参加された皆さん全員に活躍「よく頑張った。おめでとう」と言いたいです!そして参加された生徒の全ての皆さんが,この活動を通して得た学びによって,将来にわたってそれぞれの社会で大活躍して下さることを疑っておりません。
この場を借りて,参加された生徒の皆様,審査・指導にあたられた先生方,とりわけオンラインでの運営にあたられた教育委員会の先生方のご尽力に敬意を表しつつ,未来ある山形県の高校生が活躍する場に関わることができたことに,あらためて御礼申し上げます。

2022年10月26日
HEnDA審査委員長・中央大学教授  矢野善郎

 

東海大学附属高輪台高等学校SSH成果発表会に参加

10月29日(土)に、パヤオ大学附属校(タイ)、新潟県立新発田高等学校、福井県立若狭高等学校、兵庫県立姫路東高等学校の生徒も参加した高輪台高等学校SSH成果発表会(International SSH Presentation Seminar 2022)に、本校2年次の清水 紘輔君(口頭発表; “Effects of Binaural Audio on English Vocabulary Learning”)、高橋奏翔君と浅黄さらさん(ポスター発表; “How to Close Down a Marginal Village”)が参加してきました。タイからは約80名の生徒が参加していることもあり、口頭発表は全て英語、ポスター発表もほとんどが英語、質疑応答ももちろん英語でした。そんな発表会でも、本校の3名は流暢な英語で堂々と発表し、他校の発表にも英語で質問するなど大きな存在感を示していました。高校生が自分の研究を英語で発表する機会は確実に増えており、本校はこの流れにしっかり対応していることが体感できる発表会でした。

 

R04 未来創造プロジェクト中間発表会を行いました!

10月12日(水)本校アリーナにて、多くの方に質問や意見を頂いて研究改善を図る場および12月に行われる山形県探究型学習課題研究発表会の代表選考会と位置づけて開催しました。今年度も、山形大や県立保健医療大、東根市役所、県立博物館から11名の先生方を研究アドバイザーとして生徒の発表への助言をいただきました。また、県内外9校59名の教員・生徒にも参加いただきました。

発表者(全79テーマ)は2つのグループに分かれて、各グループ4回の発表を行いました。発表を重ねるごとに、生徒たちは「どう話せば内容が伝わりやすい発表となるか」などを考え、工夫している様子が見えました。また、他校生徒の発表や積極的な質疑の姿勢に、生徒たちは刺激を受けていました。発表後には他校の皆さんとの生徒交流会も実施しました。お互いの学校の様子や自分が手掛けている研究テーマ、普段どんな風に課題研究に取り組んでいるのかなど話をして、とても活発に情報交換がなされ、有意義な会となりました。

発表参加校:村山産業高校、長井高校、鶴岡南高校、酒田東高校、岩手県立水沢高校、東海大学付属高輪台高校

(左から生徒発表、オンライン発表、生徒交流会の様子)

「未来創造プロジェクト」中間発表会に関する記事が山形新聞に掲載されました

10月12日(水)に開催された「未来創造プロジェクト」中間発表会に関する記事が、10月19日の山形新聞に掲載されました。