12月15日(金)に今年度7回目となる東京大学「高校生のための金曜特別講座」が大講義室で行われました。
今回は三重県知事の鈴木英敬氏による「伊勢志摩サミットの成果を次代を担う若者に繋ぐ」というテーマの講座でした。参加生徒は1年次8名でした。
伊勢志摩サミットにおける三重県の高校生の活躍を紹介するという内容でした。その内容はもとより、鈴木氏のバイタリティー溢れる前向きな考え方や生き方が、熱く伝わってくる講演となり、参加者は終始引き込まれてしまいました。また「c-leaning」を用いて、参加者とスマートフォンを介して直接繋がり、参加者の意見を吸い上げるという試みもあり、本校生徒の質問にも直接回答して下さる場面もありました。
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以下、参加生徒の感想の一部です。
今日は、三重県の知事さんからのお話をいただきました。昨年の伊勢志摩サミットや学生時代の経験をふまえ、私たちへの将来に対する考え方やヒントを教えてくれました。その中でも私が一番印象に残ったのは、「自分で生活リズムを立てられない人は夢を叶えられない」ということです。ただ勉強を頑張るだけでなく、日々の生活をしっかりすることが大切だというものです。また、伊勢志摩サミットの時の資料を見て、行政だけでなく、高校生や子どもなど、いろんな人が関わっていることがすごいなと思いました。私も将来は、様々な形で、世界とつながっていく人になりたいし、そのためのスキルを身につけていきたいと思いました。
私は今回の講座を聞いて、積極的に行動することの大切さをあらためて知ることができました。チャンスを生かすか生かさないかは自分次第という言葉は、まったくその通りだと思います。三重県でもたくさんの取り組みをしているように、山形でも取り組みをしていると思うので、積極的に参加していきたいです。
伊勢志摩サミットは首相などの偉い人たちのものという印象が強かったけど、今日、高校生の活動を聞いて多くの人が関わっていたことを知ることができました。また、資料には参加した人の感想もあり、ほとんどの人が英語力の大切さを言っていて、これからもっと頑張らなければいけないなと思いました。講義の最後で、「進路は自分で決める」ということもこれから大切だと思うので忘れないようにしたいです。
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11月21日(火)7校時目の総合的な学習の時間に、先日実施した東桜アカデミックツアーのクラス発表会を行いました。
訪問先ごとに数名のグループとなった生徒が、訪問先で学んだことをクラスメイトの前でプレゼンテーションしました。
発表ポスターを電子黒板に投影したり、クラス分のポスターをまとめて冊子資料を作り上げたりなど、クラスによって様々な工夫を凝らした発表会となりました。先週の総合的な学習の時間1時間だけという限られた準備の中で作成したポスターでしたが、大変よくまとめられているものが多く、クラスメイト全員で学びを共有することができました。
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11月17日(金)に今年度6回目となる東京大学「高校生のための金曜特別講座」が大講義室で行われました。
今回は東京大学生産技術研究所の沖大幹教授による「宇宙から探る地球の水循環と世界の水資源」というテーマの講座でした。参加生徒は1年次67名でした。
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天文学ならぬ水文学という立場から、水をめぐる諸問題を宇宙からの観測をもとに様々な視点から解説していただきました。以下に参加生徒の感想の一部を紹介します。
私たちが授業で習ってきたものは、人の手が加えられていない”自然”についてだったので、人間が地球全体にダメージを与えていることを知りました。また、地下水(化石水)の循環によって海水面の上昇をもたらすことがあり、単に温暖化のみが原因ではないことに驚きました。
今回の講義で初めて水文学という学問を知った。当たり前のように地球を覆っている水が、たくさんの秘密や科学の力が隠れていることを知った。毎朝ニュースで普通に見ている気象衛星の図も、自分たちが生まれる約10年前からライブで見ることが出来るようになったことに衝撃を受けた。また、技術の進歩から降水シュミレーションができるようになったり、これからの未来はたくさんの進歩した技術にあふれているのだと改めて感じた。
今日の講座で一番印象に残っていることは地下水や化石水の話です。化石水という言葉自体、初めて聞き、昔降った雨が地下にたまっていることに驚きました。また、地球の重力に地下水が影響していることを初めて知りました。地球の水問題やその原因などを学べて良かった。
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11月7日(火)~9日(木)にかけて、1年次201名全員参加の東桜アカデミックツアーが行われました。
これは、最先端の研究施設とレベルの高い研究内容に実際に触れることで、理系文系の希望に関わらず科学的思考力や国際的な視野を育成するとともに、科学技術についての理解を深めることを目的として、今年度新たに計画しました。特に理系希望者については、理系の学問を志す強い気概の育成にも繋がればと考えています。
1日目は東京大学を訪問し、2コースに分かれました。教育学部にて、本校SSH運営指導委員でもある白水始先生より講演を頂くコースと、生産技術研究所に移動して長井宏平先生より講演を頂くコースでした。夜は宿泊先で東京大学生との懇談会も行われました。
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2日目は、まずは全員でお台場にある日本科学未来館を訪問しました。その後、ワークショップに参加するコースと、他の施設を訪問する3種類のコース(東証、日本銀行・貨幣博物館、JICA東京)に分かれました。夜はつくばに宿泊し、筑波大学生との懇談会も行われました。
日本科学未来館 ワークショップで白熱
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JICA東京 筑波大学生の懇談会
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3日目最終日。朝は筑波山神社を参拝。宿泊先に戻ると、遠くに富士山やスカイツリーが見えて感動しました。この日は、5コースに分かれて、それぞれ筑波学園都市内の様々な施設(高エネルギー加速器研究所、サイエンススクエアつくば、物質材料研究機構、国立環境研究所、防災科学技術研究所、ツムラ漢方記念館、食と農の科学館など延べ13か所)を訪問し研修しました。各施設とも大変丁寧に説明していただきました。
筑波山神社 JAXA
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地質標本館 地図と測量の科学館
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今回の東桜アカデミックツアーを通して体験したことが、次年度の探究活動のテーマ設定の一助になれば幸いです。
尚、事後学習として、2週間後にクラス毎発表会を行う予定です。
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10月27日(金)午後、中学1・2年生合同による未来創造プロジェクト意見交流会を実施しました。
本校では、総合的な学習の時間の名称を「未来創造プロジェクト」(高校も同名)とし、探究型学習に取り組んでいます。
意見交流会では、グループまたは個人で掲げたテーマをもとに、これまで学習してきた内容を発表するとともに、後半
の学習を進めていく上でのアドバイスをもらいました。今回いただいた意見等を踏まえ、今後の学習がより深まってい
くことでしょう。また、東北芸術工科大学の先生方も複数お見えになられ、多くのアドバイスをいただきました。
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11月1日(水)の4・5校時に、山形県立米沢栄養大学教授 髙橋和昭先生より、SS健康科学において【生命科学で見る「健康」】についての講義をいただきました。生命科学とは、健康・食生活・個性・倫理・基礎研究・環境・脳・医療などの側面から多角的に生命現象のメカニズムを解明することで、ヒトが人間らしく生きるためには健康の維持が必要で、栄養・食生活、運動・身体活動、休養・心の健康が重要な要素になることを学びました。また、健康を阻害する要因のことや生命活動の維持とエネルギーについて学び、特に、エネルギーの摂取については、細胞レベルでの詳しい話をお聞きしました。後半部は、老化についての話があり、プログラム説(テロメア、長寿遺伝子)とエラー蓄積説(活性酸素と酸化ストレス)について分かり易く具体的な例えを挙げていただきながら、詳しくお話をいただきました。
生徒の感想
○これまで聞いてきた講義の内容と共通する部分もあった。生命科学は様々な分野がある総合的なものであることを知った。中でも、あまり聞き慣れない「倫理」には、ES細胞、クローン、人工授精などが含まれているということが印象に残った。また、活発に活動しているときにはミトコンドリアは大きくなるということをきいて、SS生物の内容と関連するところもあり興味と理解を深めることができた。
○寿命にはテロメアや寿命遺伝子が関係していて、事故や病気がなければヒトは120歳まで生きることができる可能性があることに驚いた。長寿遺伝子は食事制限や赤ワインに含まれる成分で活性化するということを聞いて、本当に寿命が延びるのか確かめてみたいと思った。
○私たちの生活を豊かにし発展させていく中心と成り得るのは科学、その中でも特に生命科学なのではないかと思った。科学による発展に期待しつつ、私は生活改善に力を入れていきたいと思った。
○今回の講義を聞いて「健康」に食生活が与える影響について学ぶことができました。体の中のタンパク質の働きや、コレステロールが意外と身体に悪いことだけではなく、ホルモンやビタミンを働かせる材料になることがわかりました。また、寿命を考えるときに、ヒトとして何ができる状態を「生きている」と定義するのかを、考えさせられました。
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10月24日(火)本校体育館にて、2年次生による「未来創造プロジェクト」中間発表会が行われました。
発表会には、玉手英利山形大学理学部長をはじめ、4人のSSH運営指導委員の方々や、県教育委員会・県内外の高校や中学校から合計で24名の参観者の皆様にお越しいただきました。また1年次生も来年度に向け見学し、質疑応答も行いました。発表グループは全部で81組。中間発表までの探究の成果をまとめた手書きのポスターを体育館いっぱいに貼り巡らせ、一生懸命発表していました。実験をした植物を持ってきて実際に見せたり、フリップを使用したりと、ユニークな方法で発表をするグループもありました。
発表の後は参観者のみなさんに感想シートを書いていただき、その場で発表者に渡すという形をとりましたが、質疑応答や口頭によるコメントも活発に行われ、時間があっという間に感じた生徒も多くいたようです。今回の発表会を通して感じたことや反省、いただいたコメント等を踏まえながら、2月の最終発表会に向け、今後さらに深い探究活動が行われることと思います。
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[生徒の声]
- 発表の際、参観者の方を見ながら話すことができた。
- グループ内で納得いくまで練ることができた。
- 専門的な言葉が多く、難しく聞こえたようなので、わかりやすい言葉に直したり、補足説明を加える等をしたい。
- 緊張して早口になってしまったので、発表練習を何度も行い、丁寧に話すよう意識したい。
- 仮説や考察が明確ではないという意見をいただいたので、活動前に常に仮説を立て、考察もグループ内でまとめてわかりやすく作るようにする。
- 中間は、調べ学習で終わってしまったので、アンケートやインタビュー、実験等を加えて充実した探究活動になるよう改善したい。
- 発表内容が、「だから何?」となってしまうような伝え方になってしまったので、伝えたい内容、訴えたいことをもっと絞って、聞いている人が自分たちの発表から何か一つでも得られるものがあるようにしたい。
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10月27日(金)、東京大学「高校生のための金曜特別講座」の本校における後期受講が始まりました。
今回は、東京大学教養学部附属教養教育高度化機構特任教授である中村優希先生による「海外で学ぶということ~米国での学生生活を振り返ってみて~」というテーマでした。日本と米国の教育の違いや米国での生活について、また留学を通してこそ学んだことなどお話しいただきました。以下に、生徒の感想(一部)を紹介します。
私は春に海外留学に行こうと思っています。正直1人で行くのは不安だったので、今日の話はとても参考になりました。海外に留学に行くことで、語学力は勿論、精神的に成長でき、様々な価値観を得られるそうです。今回の内容を、留学に行く時の心構えとしてしっかり吸収したいです。
とても貴重な話を聞かせてもらいました。留学と言っても、ただ留学するのではなく、目的を持ち、そしてどの時期に行くのかなどの緻密な計画が大事だと分かりました。海外と日本の違いにとても興味を持ちました。留学することの良さをたくさん知ることができて良かったです。
アメリカの大学でのスクールライフや授業の内容などを知ることができて良かったです。日本から出てみないと分からないことがたくさんあることを改めて知りました。アメリカにはいろんな人種の方がいるので、価値観の違いや、人種差別など、日本にいては感じることができないことがあるので、それを自分自身で経験してみたいと思いました。
次回の金曜講座は、11月17日(金)テーマ「宇宙から探る地球の水環境を世界の水資源」となります。
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10月4日(水)の2・3校時に、県立保健医療大学作業療法学科教授 佐藤寿晃先生より、SS健康科学において「認知症の基礎知識とリハビリテーション」についての講義をいただきました。初めに、先生の実体験や映像などを交えながら、作業療法についての説明があり、身体機能面や日常生活活動への働きかけでなく、「生きがい」への働きかけがとても重要で、作業療法は「こころ」と「からだ」のリハビリテーションであると話されました。また、認知症の中核症状と周辺症状について学び、さらに、治療方法(薬物療法、介護、リハビリテーション)等について理解を深め作業療法の分野での支援の重要性を認識しました。認知症が高齢化率の上昇に伴い増加傾向にあるなかで、家族としてのかかわり方やみんなで支える地域の重要性についてのお話があり、生徒たちには自分ができることやかかわり方について考える大変貴重な機会になりました。
生徒の感想
高齢化社会を生きている私たちには、高齢者を支援することは必要不可欠であり、すべての人が支援のための知識を持つことが重要だと考える。作業療法士は身体の支援だけではなく精神面の支援も重要であり、その難しさを感じました。また、患者が回復するのに最も重要なことは患者自身の気持ちであり、いかにして患者のモチベーションを維持できるかを踏まえ、何を提供するかということを考えるという点が印象に残りました。
完治することができない認知症患者を周囲の人がどれだけ理解し、支えられるかが大切だと思った。介護家族の負担や本人と関わる中で生じてしまうストレスなどへの支援も作業療法士が行っていると分かった。作業を通して、症状を改善・回復し、本人の満足感や達成感を得ることができる。生き生きと生活ができるような動作を積極的に手伝い、互いの負担を減らすことも大切だと考えることができた。
認知症の症状を遅らせるためには、脳を強化することが大切だと知りました。笑顔になったり、ほめたり、コミュニケーションをとったりすることが重要であると学んだので、今から実践していきたいと思います。「人は作業することで健康になれる!」という言葉が印象に残っています。
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