アーカイブ: SSH関連

令和5年度「未来創造プロジェクト」中間発表会・生徒交流会を実施しました!

10月11日(水)に、本校の高校2年次生が中心となり「未来創造プロジェクト」中間発表会・生徒交流会を実施しました。この会では、中学校3年生と高校1年次生が高校生2年次生の研究発表を見学し、質疑応答を通してお互いに学びを深め合いました。また、研究アドバイザーとして、山形大学理学部栗山恭直教授や山形県立保健医療大学保健医療学部遠藤恵子教授など多くの先生方にご出席いただき、生徒の皆さんが行った全ての研究に様々なアドバイスを頂きました。さらに、この中間発表会では、県内から寒河江高校・長井高校・上山明新館高校・酒田東高校・村山産業高校、県外から岩手県立水沢高校より総勢86名もの高校生にご参加いただき、より活発な発表会となりました。そして、発表会終了後、本校生徒23名と他校の生徒の皆さんが小グループを作り、生徒交流会も行いました。ここでは普段の探究活動の取り組み状況や悩みなどを自由に話し合い、お互いに情報の共有化を行いました。これらの機会を経験し、今後の成果発表会に向けて更なる深化を期待しています。

 

R05 後期第2回 校内東京大学金曜講座開催

10月20日(金)に東京大学「高校生と大学生のための金曜特別講座」の後期第2回校内視聴を実施しました。今回は「折る・詰む・編む:かたちがつなぐSTEAM協働」と題し,舘 知宏先生(東京大学 教養学部 学際科学科・教授)がご講演くださいました。中学1年生から3年生がそれぞれ1名ずつ,高校1年次8名が大講義室で視聴しました。「手だけでなく、コンピュータも利用した折り紙の世界の広さを感じた。複数の点から垂直二等分線を用いて折ったり、ボロノイ図を用いて折ったりなど、細かい技術を組み合わせて作品が出来上がっていると知った。(高校1年S.Y.さん)」といった感想のように,折り紙の学際的研究を感じる貴重な機会となった講演でした。次回は10月27日の「多角的に史実を見る:北アフリカ植民地史研究の現場から」となります。

R05 後期第1回 校内東京大学金曜講座開催

10月6日(金)に東京大学「高校生と大学生のための金曜特別講座」の前期第5回校内視聴を実施しました。今回は「フランス美術を通して知る西洋の文化・歴史・思想」と題し,松井裕美先生(東京大学 教養学部 教養学科・准教授)がご講演くださいました。中学2年生2名,3年生2名,高校1年次75名が大講義室で視聴しました。「美術史を研究する意義としては作品に込められた思いや、芸術家の考えを丁寧に解きほぐしていったり、作品と対峙して、歴史的な意味を考えることだと分かった。絵画を鑑賞する時には、今回の講座を参考にし、分析しながら、絵の本質を捉えられるといいなと思った(高校1年I.H.さん)」といった感想のように,多くのことを学ぶ機会となった講演でした。次回は10月20日の「折る・詰む・編む:かたちがつなぐSTEAM協働」となります。

SSH通信第19号を発行しました

沖縄・西表フィールドワークに行ってきました

R5年沖縄・西表フィールドワーク

7月29日㈯から8月8日㈫までR5年沖縄・西表フィールドワークに行ってきました。当初の計画では8月2日㈬までの予定でしたが、台風6号が予想外の動きになり、8月2日から6日まで沖縄島から八重山諸島にかけて停滞したため、飛行機が飛ばず10泊11日になってしまいました。参加生徒26名は長旅にもかかわらず無事に元気で戻ってきました。以下に概要を報告します。

日程と概要

7月29日㈯☀山形空港から石垣島への移動日。

山形空港、羽田空港、石垣空港を経てホテルに宿泊。羽田空港に着く途中、雲の上に富士山が見えました。

7月30日㈰☀石垣島から西表島へ移動する。

道端のセマルハコガメ

石垣島で「石垣島鍾乳洞」を見て、高速船で西表島にわたりました。北部の浦内川を船で遡りました。船の上で昼食を食べました。干潮だったのでリュウキュウイノシシが見えました。途中から歩いて「マリュドウの滝・カンピレー滝」まで行きました。道で天然記念物のヤエヤマセマルハコガメや巨大なオオジョロウグモや虹色の尾をもつイシガキトカゲ、サキシマキノボリトカゲなどを全員が観察できました。植物はマングローブを構成する木々、木性シダやアダン、葉の棘が痛いタコノキ、ヤエヤマオオタニワタリなど熱帯の植物が密集して生育していました。

満潮時の浦内川

帰りは満潮近くになり川幅が広く入り江のようになった浦内川を戻りました。下船後かつて掘られていた炭鉱の跡「ウタラ炭鉱跡」を見に行きました。閉山から70年以上経っているため、すっかり密林の一部になっていました。船でしか行くことができない船浮の民宿に泊まりました。みんなで一緒に初めて食事をして懇親を深めました。食後に宿の主人池田さんから素晴らしい話をいただきました。

 

7月31日㈪☀午後☁☔、西表島で研修後石垣島に移動する。

船浦湾のニッパヤシ群落で琉球大学熱帯生物圏研究センター渡辺先生の説明を聞く

船浦湾のマングローブ林を進む

早朝からリュウキュウアカショウビンと各種のカエルの声がうるさいほどでした。6時過ぎから宿の近くの「イダの浜」まで行き日の出を見ました。ゴミ一つない美しい砂浜で、数えられないほどのヤドカリやカニ穴を見ました。午前中、船浦に移動し、琉球大学西表研究施設の渡辺助教授の案内で施設の見学をした後、「船浦湾のマングローブ林」を歩いてマングローブ林を構成する植物や動物を観察しました。途中から足元が泥主体になり、泥の川をお尻までつかりながら移動する初めての経験をしました。大きな巻貝キバウミニナや巨大なシジミ貝シレナシジミなどが多数いて、キバウミニナがヒルギの葉を食べる様子を見て驚きました。日本のマングローブ林 を構成する7種の植物の内6種を見ることができました。干潮で帰りは砂原の船浦湾を歩いて戻りました。午後は「星砂の浜」で星砂を採集しました。砂と思ったものがすべて底生有孔虫でした。時々台風の外側の雲がかかり驟雨になりました。最終の船で石垣島にわたりました。

星砂の浜で

8月1日㈪☁時々☔夕方近くから暴風雨、スーパーマーケットで食料を購入する。

台風6号が先島諸島に明日、明後日接近するということで石垣島の南部をバスでめぐり、スーパーマーケットで2日分の食料を購入しました。初めに「バンナ展望台」に行き石垣島から西表島、竹富島などの景色を眺めました。残念ながら、台風の接近で雲が多く風も強くエメラルドグリーンの周辺の礁湖が良く見えませんでした。次に「名蔵ヤイマ村」に行きました。時々降雨がある中、リスザルやケージの中のカンムリワシなども見ました。昼前に石垣市南部で台風に備えて食料を購入しました。食料を購入しに来た人達で賑わっていました。午後は「みねや工房」で伝統工芸の織物を見てホテルに戻りました。15時以降は激しい風雨になり、道路にほとんど人がいなくなりました。我々もホテルで待機しました。

8月2日㈬暴風雨☔、昨晩から暴風雨が続き終日ホテルで待機しました。

ホテルの掲示

8月3日㈭暴風雨☔、終日ホテルで待機しました。夕方から隣の本館に行くことができるようになりました。

 

8月4日㈮風雨が収まり☀☁、石垣島南部をバスで巡る。

午前中バスで「国立天文台VERA石垣島観測局」に行きました。VLBIの観測のための施設です。国内では岩手県水沢市と東京都小笠原村、鹿児島県入来の4か所にある施設です。台風通過後の調節前で直径20mの電波望遠鏡を動かしてくれました。

VERA石垣島観測局で

その大きさと機敏な動きに驚きました。午後、南西部の観音崎手前の「唐人墓」に行きました。中国人の派手なお墓で、沖縄のお墓に通じる巨大さでした。次に環境省の「国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター」に行きました。石垣島周辺のサンゴ礁の現状について説明を受けて、展示されているサンゴの標本や増殖したサンゴを見せてもらいました。中庭に巨大な飼育放棄された大きなイグアナがいて驚きました。

国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターで

 

8月5日㈯☀石垣島南部を散歩する。

午前中ホテルから東の「多田の浜」まで国道390号線に沿って街路樹を観察しました。道路沿いにある熱帯の草木を解説しながら歩きました。大変暑く、途中休みながら行きました。多田の浜では琉球石灰岩独特の侵食地形ノッチが見られ、浜はサンゴの破片や各種の貝殻、多数のゴミがありました。貝殻やサンゴ片を採集して戻りました。

多田の浜で、琉球石灰岩の「ノッチ」

8月6日㈰☀バスで石垣島中央部までの見どころを巡る。

伊原間のハート岩(津波石)

シーサー工房でシーサーのオブジェと

午前中、「川平湾」でグラスボートに乗り、生きているサンゴやシャコガイ、ウミガメを見ました。台風通過後で波があり下を見ていたら船酔いし、残念ながら外の風景しか見られない人が続出しました。下船後展望台で入り組んだ地形を見ました。山原の食堂で昼食を全員そろって楽しく食べました。次に「米原米子焼工房シーサー農園」に行きました。様々なシーサーの大きなオブジェがあり池に各種のトンボ、チョウが乱舞していました。次に「伊原間の海岸」で、津波で沖から流されてきた津波石の「ハート岩(巻石)」を見ました。とてもきれいな素晴らしい海岸ですが、津波の痕跡があり複雑な気持ちになりました。

「玉取崎展望台」で北東の平久保半島や周辺のサンゴ礁を見ました。石垣島東部サンゴ礁の外側がクッキリと確認できました。南国の蝶やトンボが乱舞していました。

 

8月7日㈪☀隣にある竹富島まで往復する。

竹富島で

竹富島はサンゴ礁が隆起してできた島で最高地点が20mほどの平らな島です。高速船で渡って自転車で島をめぐりましたが、思っていたより凹凸があり、借りたママチャリではつらい所もありました。海に入れる所があり全員で泳ぎました。熱帯のカラフルな小魚が多数泳ぐ透き通る海でした。独特の景観の街の中、南国のアゲハ蝶シロオビアゲハが多数飛んでいました。また、道路沿いには野生の?パパイヤの木がありパパイヤが実っていました。帰る途中で食べた高価な紅芋ソフトクリームが美味しかったです。

8月8日㈫☀石垣島から山形までの移動日。

石垣空港、那覇空港、伊丹空港、山形空港と空路で東根に戻ってきました。予定を6日も超過し南米への海外旅行並の10泊11日になりました。参加者はこの旅で逞しくなったと思います。この経験を今後に生かし東桜学館のリーダーになって欲しいと思います。

 

中学校 未来創造プロジェクト 意見交流会を実施!

9月1日(金)中学全学年において、これまでの探究活動の成果を発表し合い、意見を交流しました。東北芸術工科大学より5名、山形大学より1名の先生方、そして山形大学理学部の学生6名(本校の卒業生)も助言者として来校いただきました。全学年、活発な発表が行われ、聞き手も疑問点を発表者に積極的に質問し、共によりよい探究となるようにと発言する前向きな姿勢が印象的でした。この意見交流会を通して、これまでの探究活動に新たな気づきが加わりました。今後はフィールドワークに臨み、さらなる探究の深まりをめざしていきます。

MONO-COTO INNOVATION 2023 第2位入賞

一般社団法人CREATION DRIVE SUPPORTED by 株式会社CURIO SCHOOL主催の「MONO-COTO INNOVATION2023」に中学3年 森谷条治さんが参加し、所属のチームがこの度、第2位に入賞しました。7月31日(月)から8月4日(金)の4泊5日のプログラムで、今年度は、500名を超える応募があり、選考を通過した中学生・高校生80名が全国から集まり、合宿形式でデザイン思考を活用しながら革新的なアイデア創造に挑戦しました。参加者は4人1チームになり、プロのデザイナーやエンジニアによるメンタリングを受けながらアイデア創造に取り組みました。本校の探究学習である「未来創造プロジェクト」でも中学1年からデザイン思考を学んでいます。これまでの学びが生きた嬉しい活躍となりました。

第6回 東桜サイエンスラボを実施しました!

2023年度も、本校において地域の小中学生を対象にした親子実験教室「東桜サイエンスラボ」を企画し、8月4日(金)はコース2と4、8月19日(土)はコース1と3を実施しました。コロナ禍から明けて制限のない環境での実施となったラボですが、どの講座も大盛況で、38組の親子の皆様が参加してくださいました。今年は、この事業の講師とそのティーチングアシスタント(TA)の多くがSSH事業の一環として実施している沖縄・西表フィールドワークに参加し、台風の影響で8月4日までに山形へ戻って来られなくなりました。そのため、講座1と3は日程を変更して8月19日(土)に実施しました。各コースは以下の通りです。なお、コース1については、探究部の高校生が講師となり多くの実験講座を計画・実施するという内容で、大いに盛り上がりました。また、探究部の中学生も各講座においてTAとして、実験補助を積極的に行っていました。

コース1…科学実験Quiz(高校生とのふれあいを通して、クイズ形式で様々な実験を行います。)

コース2…身近なもので発電しよう(身の回りにある物を用いた簡単な電池作りと様々な反応を行います。)

コース3…化石レプリカを作ろう(化石標本から型を取り、本物そっくりな化石レプリカを作ります。)

コース4…DNAを見てみよう(自分の細胞を観察した後、そのDNAを取り出しペンダントを作ります。)

【参加者の声】

コース1:4つの実験はどれも息子の興味を引くもので、楽しみながら知識を吸収することができたと思います。高校生の方々も面倒見が良く、火炎実験ではとてもわかりやすく説明してくださいました。いい経験になりました。ありがとうございました(保護者)

コース2:理科は好きではなかったけど、今日の実験は楽しかったです。(児童)

コース3:進化の解説がとてもおもしろかったです。ありがとうございました(児童)

コース4:とても楽しく学ぶことができました。有意義な時間を過ごすことが出来ました。先生もアシスタントの生徒さんも親切に教えてくださり、わかりやすかったです。ペンダントも大切にします。親子でリフレッシュできました。(保護者)

コース1 高校生による実験説明と演示実験

コース2 実験風景

コース3 中学生による実験補助(レプリカ取り出し)

コース4 中学生によるスポイト操作補助

【SS総合探究Ⅱ】2年次生がFWを行いました

令和5年7月21日(金)、24日(月)の2日間、また、それぞれ夏休みの時間を使って高校2年次生がSS総合探究Ⅱの一環でフィールドワークを行い、各グループの探究テーマに沿って企業や官公庁などを訪問しました。文系テーマの「東根市の小中学生に国際理解の新しい価値観をもたらすことはできるのか」について探究をしているチームは、仙台市のJICA東北を訪問し、彼らのメインの調査地域であるアフリカの基礎知識や現状、アフリカでのJICAの取り組みに加え、国際支援の仕組みやセオリーについても担当の職員の方から説明を受けました。生徒たちはそれぞれに疑問を持ち、講話を聞いた後は活発な質疑が行われました。今回JICA東北を訪問した3名のうち2名の生徒は文部科学省の留学支援プロジェクト「トビタテ留学JAPAN」から支援を受け、この訪問後ルワンダに渡航しました。日本、海外それぞれでのフィールドワークを経て、探究活動がさらに深まることが期待されます。

JICA東北訪問の様子

また、校内では理系の探究テーマに取り組んでいる複数のグループの生徒に向け、株式会社山形テレビが主催する「環境SDGsワークショップ」の一環で、山形大学理学部教授 栗山恭直先生に本校へお越しいただき、SDGsの視点で科学的な課題にアプローチする手法について講演いただきました。講演後は各グループの探究内容に関するご助言をいただき、参加生徒にとって有意義な時間になったようです。

環境SDGsワークショップ栗山恭直教授の講座の様子

夏休みが明けると2年次生は10月11日に行われる中間発表会に向けて、追実験・調査を行ったりポスター発表などの準備をすることになります。今後の2年次生の探究活動での活躍にもご期待ください。

スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会に参加しました!

令和5年8月9日(水)と10日(木)に、兵庫県神戸市の神戸国際展示場にて行われた「スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会」に発表者高校3年生4名と見学者高校1年生2名の生徒が参加しました。今年度は新型コロナウイルス対策が多少緩和され、参加生徒の保護者の入場もある中で、国内約220校が一堂に会した発表会となりました。

本校からは、『伸縮する折り紙構造』について研究していたチームが参加しました。生徒たちは、校内での発表のみならず、東北地区サイエンスコミュニティ研究校発表会や他県のSSH校における成果発表会などで経験を積み、その都度助言を頂きました。また、本校と連携協定を結んでいる山形大学理学部の栗山恭直教授の協力もいただき、研究を深めてきました。

当日は、多くの参加者の方から様々なアドバイスや講評をいただきました。また、参加生徒は、他校の生徒の発表を拝聴する際も、発表者の説明に聞き入り、積極的に質疑を交わしていました。最後には、質疑で物足りず持論をぶつけて熱く議論する生徒もいました。やはり発表会は、オンラインなどではなく、対面で直接コミュニケーションを図るところに醍醐味があると実感する2日間でした。